Googleは、アジア太平洋地域(中国を除く)の2021年の検索動向を日本における共通点と違いに触れながら紹介するレポートを2021年1月17日に公開した。
生活者は、日々の変化に対して興味を持っていることを探す手段の1つとしてGoogle検索を利用している。Googleは、その検索結果に注目することで、生活者が関心を持っていることなど、新しいインサイトを得ることができると考えているという。
2020年から多くの生活者がオンラインサービスを活用し始め、当初は必要に様られて、買い物をはじめとした各種オンラインサービスを利用し始めた人々が、現在では、スピード、利便性、価格などの理由で、積極的にオンラインを利用している。
これらのデジタルシフトは、新型コロナウイルス感染症の影響による一過性のもので終わることなく、2021年もさまざまな領域で持続している。
家計への見方が変化:
日本では、「セールいつ」の検索が80%増加、さらに「投資」15%増加、「投資信託」40%、「証券」が30%増加、「仮想通貨」も120%増
家計への見方も変わってきているという。副業や投資で収入を増やす人もいれば、お得な情報や割引などで支出を減らそうとする人もいる。
日本では、「セールいつ」の検索が80%増加し、その関連ワードの上位にECサイト名が複数あることから、よりお得なオンラインショッピングを求める様子が見てとれるとのことだ。
またアジア太平洋地域のインド、シンガポール、マレーシア、インドネシア、ベトナムでは、「お得な情報」、「割引」、「クーポン」の検索が110%以上の伸びを示しているという。
さらに日本では「投資」の検索が15%以上増加し、「投資信託」が40%以上増加。「証券」の検索も30%以上増え、関連ワードには、新興投資アプリの名前が目立った。
同じくパキスタン、フィリピン、ニュージーランド、シンガポールでも「投資方法」「投資先」「少額投資のすすめ」など投資に関する検索が20%以上伸びているとのことだ。
そのほか「仮想通貨」も、日本では120%以上伸びており、値上がりがたびたびニュースになったことなども影響しているのかもしれないと推測される。
オーストラリア、インド、インドネシア、シンガポール、ニュージーランド、パキスタンでも400%以上の高い伸びを示したという。
買い物も、デジタルシフトが加速:
日本では、「ライブコマース」の検索が75%以上増加や、「オンライン・ギフト」の検索が40%増加
2021年時点では、アジア太平洋地域(中国を除く)の生活者の約半数が、必要なものがオンラインで購入できる場合は、店舗に行く必要はないと考えているという。
そしてオンラインショッピングに慣れ親しむにつれ、生活者はより進化したサービスに期待するようになっているとのことだ。
日本では、「ライブコマース」の検索が75%以上増加。これまでの一方通行な買い方ではなく、よりインタラクティブで多くの情報を得られるようなショッピング体験に関心が高まっていることがうかがえる。
オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、フィリピン、インドで特徴的なのは配送に対する期待の高まりで、「当日配送」の検索が最大70%増加。インド、タイでは、「無料配送」の検索関心が最大60%増加。
アジア太平洋地域(中国を除く)では、オンライン人口の半数以上がオンラインで誰かにプレゼントを買ったことがあり、その割合は世界のどの地域よりも高いとされている。
日本では、デジタル上でのギフト体験を模索する様子が見られ、「オンライン・ギフト」の検索が40%増加。インドネシアでも、「ギフトボックス」や「スナックギフトボックス」の検索が増加。オーストラリアでも同様に、ギフトの配送に関する検索が20%増加しているという。
キャリアを見直す動きも活発に:
日本では「自己都合退職」の検索が30%以上増加し、同時に「副業」の検索が10%以上増加
日本とアジア太平洋地域(中国を除く)では、感染症の拡大をきっかけに人生の重要なことを見直す考上で、キャリアについても、考え直そうとする動きが見られた。
調査によると、アジア太平洋地域(中国を除く)の就業者の47%が雇用主の変更を検討し、56%がキャリアチェンジを計画していて、他の地域と比較しても高い数値になっている。
実際、オーストラリアやニュージーランドでは、「辞表」の検索が25%以上増加。インドでも同様の傾向が見られ、日本でも「自己都合退職」の検索が30%以上増加。同時に「副業」の検索も10%以上増加しているとのことだ。
フィリピン、インドネシア、香港では、「新しくビジネスを立ち上げる」「小規模ビジネス助成金」など起業関連の検索が最大175%の伸びを示しているという。
アジア太平洋地域(中国を除く)の2021年の検索動向と、日本との共通点と違いについての詳細レポート(トレンド1、トレンド2、トレンド3、トレンド4、トレンド5)をはじめ、その他さまざまなリサーチや検索データから生活者の行動や意識の変化を探る記事、ならびにマーケティングへの示唆的な情報・事例をThink with Googleで発信している。
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