キリンビールは、2022年~2024年中期経営計画の初年度として事業方針を発表した。
従業員一人一人が「CSV(※)マインド」を持ち、ブランドを磨き上げることでブランドを通じて利用者と社会に貢献していくとのことだ。
1.2021年の振り返り
2020年に続き新型コロナウイルスの感染拡大・酒税改正などの影響を受け、ビール類市場は前年比95%程度で着地。キリンビールは、利用者基軸の「正しい戦略」と「CSVマインド」の掛け算で変化する需要に応え、大びん換算で1億2,410万箱(前年比約96%)と市場を上回る結果となったとしている。
特にビールカテゴリーは、主力商品の「キリン一番搾り生ビール(以下、一番搾り)」、「キリン一番搾り 糖質ゼロ(以下、一番搾り 糖質ゼロ)」が好調に推移し、前年比約104%と市場を大きく上回ったという。
また、2021年3月に発売した「SPRING VALLEY 豊潤<496>」、同じく3月から本格展開を開始した会員制生ビールサービス「キリン ホームタップ」など新たな成長エンジンの育成へもチャレンジし、ビール類の魅力化および市場の活性化につながったとのことだ。
なお、2021年販売実績は以下となる。
2.2022年の取り組み
キリンビールは、2022年もぶれることなく「強固なブランド体系の構築」、「新たな成長エンジンの育成」を軸とした事業戦略を継続し、ブランドを磨き上げ企業価値の最大化を目指すという。
酒税改正後で高まるビール需要に応えて、「一番搾り」ブランドのさらなる強化とクラフトビールの育成に取り組み、ビール計では前年比約3割増の販売数量を目指すとのことだ。
(1)強固なブランド体系の構築
主力ブランドをしっかりと育成することで、酒税改正後も愛され続ける強固なブランド体系を構築するという。
キリンビールは、「一番搾り」、「一番搾り 糖質ゼロ」の育成に再注力することで、「一番搾り」ブランドを「日本のビールの本流」へと成長させていくことを目指すとしている。
なお新ジャンルカテゴリーでは、コロナ禍により加速した「低価格でも明確な価値がある商品」へのニーズは継続するとみているとし、「本麒麟」は「うまさ」をさらに進化させたリニューアルを実施し前年比約1割増の再成長を目指すとのことだ。
(2)新たな成長エンジンの育成
クラフトビール事業は、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」のリニューアルおよび「キリン ホームタップ」においてクラフトビールのラインアップを強化することで、高付加価値のビールを多くの利用者に届け、良質な飲用体験を通じたビールの魅力化、市場の活性化に引き続きチャレンジするという。
業務用市場では「Tap Marché(タップ・マルシェ)」「TAPPY(タッピー)」の提案を強化することで、飲食業界が抱える課題や社会課題を解決しながら、利用者がよりおいしいビールを楽しむことのできる機会を増やし、人と人が繋がる場の創出に貢献するとしている。
なお、2022年販売目標は以下。
キリングループは、自然と人を見つめるものづくりで、「食と健康」の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献するとのことだ。
(※)CSV:Creating Shared Valueの略。利用者や社会と共有できる価値の創造