東京都は、外務大臣、厚生労働大臣、防衛大臣、在日米軍兼第5空軍司令部司令官に対し、在日米軍基地における「オミクロン株」の感染拡大防止に関する要望を実施したと発表した。
内容は以下となる。
世界各地で新たな変異株であるオミクロン株が広がり、大きな脅威となっている。都内においても、12月24日に、海外渡航履歴と関連が無く、接触経路不明であり、市中での感染が疑われる事例が発生している。
現在、オミクロン株の感染拡大を防ぐためには、水際対策を徹底することが必要であるとし、都では国と連携して積極的疫学調査を幅広に実施するほか、濃厚接触者の宿泊療養施設への入所や健康観察を徹底するなど、封じ込めに全力を挙げているところであるという。
こうした中、沖縄県の在日米軍基地において大規模な感染が明らかとなり、他の米軍基地でも感染が確認されている。
感染力が強いと言われるオミクロン株の感染拡大を防止する観点から、横田基地をはじめとする在日米軍基地を有する都としても、基地周辺住民への感染拡大を懸念しており、オミクロン株の国内流入・感染拡大を抑え込むには、国内空港や港湾施設における水際対策だけでなく、在日米軍においても地元自治体と連携しながら、基地に直接入国する軍人、軍属などへの取組を徹底していく必要があるとのことだ。
そこで今回、下記の事項に関し速やかに実施するよう要望。
(1)在日米軍基地に向けて米国を出発する際及び基地到着の際には、新型コロナウイルス感染症の検査実施を徹底すること。
(2)海外の調査では、オミクロン株の高い感染力や再感染のリスクが示唆されていることを踏まえ、感染者や濃厚接触者の隔離、濃厚接触者に対する健康観察、入国者の移動制限、米軍関係者に対する指導、地元保健所と米国基地の医療機関との情報交換など、感染防止について迅速かつ万全な措置を講じること。
(3)米軍基地には、多くの駐留軍等労働者が通勤しており、基地の内外を移動している。軍人、軍属及びその家族はもとより、これら労働者や、基地に出入りする契約業者等の感染防止にも万全を期すこと。
(4)地元自治体が、より幅広い疫学調査を実施するため、発生状況、感染者や濃厚接触者の行動履歴、米軍が講じている行動制限や隔離等の措置状況等に関して、必要かつ詳細な情報提供を行うこと。
(5)(1)~(4)の実施徹底のため、米軍において、早期にゲノム解析を実施し、オミクロン株を早期に特定すること。なお、米軍において、実施が困難な場合は、都に検体を持ち込み、都独自の変異株PCR検査やゲノム解析により、オミクロン株を早期に特定すること。