日本電信電話(以下、NTT)は、横浜市市民局(以下、横浜市)と協力し、2021年12月31日から2022年1月3日にかけて、「海に浮かぶ12K映像アートミュージアム 海と空の境界展」を開催すると発表した。
同展示においてはNTTの最新通信技術を用いて、高知・桂浜、長崎・稲佐山の国内2拠点からの12K超ワイド合成映像での初日の出と、宇宙からの日の出の様子を、横浜赤レンガ倉庫前海上に浮かべた長さ55mの洋上ワイドビジョンにリアルタイム中継するという。
また、12K超ワイド映像の臨場感や表現力を感じられるよう、初日の出のリアルタイム中継だけでなく、スポーツをはじめとした環境、観光などの映像を「境界をテーマにした12K映像アート作品」として上映するとのことだ。
1.背景・概要
NTTは、これまで空間そのものを臨場感そのままに伝送することを目的に、超高臨場感通信技術Kirari!などの研究開発を推進してきた。この技術を活用し、海上で行われたスポーツの競技間近で撮影した映像を長さ55mの洋上ワイドディスプレイへ伝送し、臨場感の高い超ワイド映像で観戦可能にしたとのことだ。
この洋上ワイドディスプレイを用い、新型コロナウイルス感染症によって分断された「つながり」を見直すことをテーマに、超ワイド映像合成技術を活用し複数地点の日の出映像をリアルタイムに「つなぐ」実証実験展示を実施。
そして、横浜赤レンガ倉庫前の海上に、長さ55mの洋上ワイドディスプレイを浮かべ、2022年という新しい年を迎えるタイミングで、横浜市とも協力し、様々なコンテンツを投影するとのことだ。
2022年1月1日は、特別ライブ「SUNRISE RELAY」として、NTT研究所が取り組む最新映像技術を用いて、遠隔地の初日の出をリアルタイム中継するという。
日本有数の初日の出観覧スポットである高知県の桂浜、長崎県の稲佐山からの12K超ワイド合成映像による初日の出と、KIBO宇宙放送局の協力による国際宇宙ステーション(以下、ISS)から撮影した宇宙からの日の出映像を上映。
また、12月31日からは、「境界をテーマにした12K映像アート作品」として、スポーツ、環境、観光など多様なテーマの12K映像を上映するとしている。
2.技術のポイント
・超ワイド映像合成技術
複数の4Kカメラ映像をリアルタイムにつなげて合成することで、単一のカメラでは撮影できない高精細かつ広視野角のワイド映像を生成する技術(図1)。
同技術のポイントは、カメラ間の映像の合成面をリアルタイムに導出し、合成すること。合成面を導出するため、まず縮小した映像フレームに対して大まかに探索し、その後、先の処理で導出された範囲を細かく探索する2段階探索を行う。これにより品質の高い合成映像のリアルタイムに生成することが可能となるとのことだ。
また、各種映像処理をGPU上で並列処理することで、大幅な高速化を実現しているという。
3.実施内容
イベント名称
「海に浮かぶ12K映像アートミュージアム 海と空の境界展」
主催
日本電信電話(NTT人間情報研究所)
共催
横浜市市民局
開催日程
①「SUNRISE RELAY」
2022年1月1日 6時から8時まで
②境界をテーマにした12K映像アート作品
2021年12月31日から2022年1月3日まで(4日間)
8時から21時まで(3日のみ16時まで)
なお、船舶運航の安全確保のため、一時的にLEDを消灯する時間があるとのことだ。
会場
横浜赤レンガ倉庫前海上
※洋上ワイドビジョンで映像を観ることができる。
主な放映内容
●「SUNRISE RELAY」
最新通信技術を用いて、高知、長崎、宇宙空間のISS・KIBO宇宙放送局など、遠隔地の初日の出を12K超ワイド合成映像でリレーするライブ作品。
●境界をテーマにした12K映像アート作品
「境界」をテーマにした12K映像アート作品を上映。スポーツ、環境、観光など、超高解像度素材とともに楽しめる作品。
(コンテンツ協力:Dentsu Lab Tokyo、WOW、Dentsu Craft Tokyo、IMAGICA EEX)
その他
同展示は、新型コロナウイルスの感染防止対策を行い実施。