サーティワンを運営するB-Rサーティワンアイスクリームは、2021年12月19日に取締役会において東京証券取引所(以下、東証)の新市場区分における「スタンダード市場」を選択することを決議し、東証に対し新市場区分の選択申請をしたと発表した。
また、移行基準日(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準(以下、上場基準)を充たしていないことから、下記のとおり上場基準の適合に向けた方針を定め取り組みを推進していくとのことだ。
・スタンダード市場における同社の上場基準の適合状況および計画期間
同社の移行基準日時点におけるスタンダード市場の上場基準に対する適合状況は以下のとおり。なお、同社は上場維持基準を充たしていない流通株式比率について、2029年12月31日を目途に25%以上になるよう取り組みを進めていくとしている。
●上場維持基準の適合に向けた計画
・基本方針
流通株式比率を向上させるため、投資家の投資環境を充実させ、投資家基盤の拡大をしていく。
・課題
同社は不二家とバスキン・ロビンスのブランド・オーナー(現在はインスパイアブランド)との協力によりサーティワンアイスクリームブランドを日本国内で拡大することを目的に創設されたことから、両社による株式の保有割合が86%程度ある。
そのため現状は流動株式比率が低く、新市場区分の上場維持基準に適合しない状況となっているとのことだ。
・取組内容
(1)関係会社持株の縮小
関係会社の保有株式数を縮小することについて、両社の同意を得たことから、流通する株式を増やし流通株式比率25%以上を目指すという。
しかし、市場での売買株式数は1日平均1,136株(2021年12月17日時点での過去12か月実績)と低く、現在の流通株式比率を2倍以上にするには相当の期間を要すると予想。
(2)企業価値の向上による投資家基盤の拡大
同社はサーティワンブランドと企業価値を高めるため、会社とフランチャイジーにとって強固なビジネスを構築することを主眼に置いた2031年長期経営計画を策定し、売上と利益の拡大に向けた4つの戦略を掲げているという。
ユーザーのデマンドに応じたマーケティング施策の遂行および店舗とフランチャイジーポートフォリオの最適化による「ブランドパワー強化」、モバイルオーダー・デリバリーサービスなど顧客の利便性向上などに取組む「デジタル化」、安全・品質を第一としつつ原材料調達コストの削減などに取り組む「サプライチェーンの最適化」、閉鎖商圏(遊園地、野球場、会社・学校の食堂)への拠点開発を目指す「販売拠点の拡大」等を今後推進していくとのことだ。
この長期経営計画については、2020年度の有価証券報告書に記載しているという。
(3)IR活動の推進・強化(投資家とのコミュニケーション強化)
現在、ホームページでビデオによる決算説明などを実施しているが、今後はそれらに加え将来を見据えたビジネスおよび財務のアクション並びにターゲットなどの情報を、より周知することが出来るようIR活動の強化を図っていくとのことだ。