ファーストリテイリング(以下、FR)と(以下、ASX)およびNIPは、係争中であったRFIDを活用したセルフレジ案件において、相互に協力関係を築くべく全面的な和解をしたことを発表した。

同和解で、FRは、現在NIPの保有する特許が有効に存在していることを尊重し、ASXおよびNIPは、同セルフレジはASXの特許出願が公開される以前から、FRが独自に開発し使用していたものであると確認するという円満な和解合意とのことだ。

和解成立の結果として、ASXおよびNIPは特許権侵害訴訟等を取り下げ、FRは無効審判請求を取り下げるとしている。

同件係争の当初、セルフレジの開口型RFID読み取り機能に関する特許を取得していたASX(現在はNIPに譲渡)と、この特許公開前から独自にセルフレジを開発し使用していたFRとの間で同件特許の有効性について見解の相違があり、話し合いによっても溝が埋まらなかったという。

そのため、FRは公平な第三者の判断を得る目的で無効審判を請求していたが、ASXおよびNIPは、同件特許が有効であり、かつ同セルフレジが同件特許を利用するものであるとの見解により、同セルフレジが同件特許を侵害するとして、ユニクロおよびジーユーに対し特許権侵害訴訟を提起。

しかし、話し合いを継続する中で、互いのそれぞれの主張はボタンのかけ違いから発生したものであるという相互理解ができたという。

さらに、係争状態を長期化させることは互いの事業の発展を阻害しかねないという観点から、互いに無益であるという意見で一致し、これ以上係争を続けないだけでなく、協力して互いの事業の発展に努めることで合意に至ったとしている。

今後は、それぞれの権利や事業を尊重し、互いに良好な関係を築いていくとのことだ。

FRはユニクロおよびジーユー店舗において、今後も国内外で同セルフレジを展開するとし、利用者はこれまで通り、同セルフレジの利用が可能だという。

ASXおよびNIPは、これまで通り特許品としての販売、およびサービス提供を継続していくとしている。

なお、法令規則上の義務による開示を除き、特許権侵害訴訟等に係るその他の和解条件については一切公表しないとのことだ。