UUUMは、「2022年5月期 第1四半期決算説明および今後の事業計画や成長可能性について」資料を通じて、同社のクリエイタービジネスの戦略について方針を転換し「インフルエンサー・ギャラクシー事業」として進めていくことを報告した。

今回のリリースでは、この新たなUUUM中期戦略について、改めて説明。

従前の状況と環境の変化

従前の戦略は新しい専属クリエイターを獲得すること、ネットワーククリエイターの中から新たな専属クリエイターを輩出すること、より多くの専属クリエイターに対して多岐に渡るサポートを提供することに主眼を置いたものであるという。

同社創業時において、クリエイターの社会的な認知度は低く、活動拡大には様々な課題が存在していた。

同社が多くのクリエイターに向けて、タイアップやグッズ、イベントなどの業務や、クリエイターの財務等のバックヤード業務に積極的に関与することで、クリエイターがクリエイティブに専念できる環境を作り出すとともに、活動領域の拡大を実現してきたという。

このような同社の取り組みを通じ、現在ではクリエイターの認知度や社会的地位は向上し、クリエイターの活動の幅も大きく広がりました。また、クリエイターのニーズや目指す方向も多様化。

また、従来型メディアで活躍してきた人を含む多くの個人がインフルエンサーとして自らのメディアで発信するようになり、同社においても、他事務所との業務提携等を通じて様々な個人との接点が増えている。

マネジメント企業からビジネス共創企業へ

上記のような環境の変化の中、UUUMの新たな中期戦略として、専属クリエイターに対しては、日常的なマネジメントサポートを超えて、それぞれのクリエイターが目指す世界観を活かしたビジネスを共創していくことを目指すとしている。

共創に向けた具体的な変化のひとつとしては、マネジメントの質を一層強化する一方で、マネジメント対象を「ビジネスを共創できるポテンシャルが高いクリエイター」と再定義。

それに伴い、2021年12月現在、専属契約している約300組のクリエイターのうち、約半数は、2022年春頃までを目処に順次、ネットワーク契約として新たな取り組み形態へと切り換わっていくとのことだ。

クリエイターを取り巻く個人経済圏が急拡大する中、クリエイターには様々な可能性が広がっている。

こうした可能性を実現するためにも、マネジメントの対象とするクリエイターの数を絞り、クリエイターとのビジネス共創に社内リソースをより注力できる体制に会社全体をシフトさせていくとしている。

所属外の幅広いインフルエンサーに対するサポートやビジネス共創も強化

また、今後は専属クリエイターとの取り組みを強化していくことに加えて、所属外のインフルエンサーとの取り組みも強化していくという。

この数年で、芸能人やInstagramクリエイター、ストリーマー、アスリートなど様々なインフルエンサーとの取り組みが増えており、今後はこうした動きを加速させ、それぞれのインフルエンサーに合わせたサポートやマネタイズやビジネス共創の機会を提供していくとのことだ。

所属内外問わず、インフルエンサーをサポートし、ビジネス共創を実現するインフラとして、圧倒的ナンバーワンを目指していくとしている。

ネットワーククリエイター向けのオンラインPF「CREAS」の機能強化

UUUMネットワーククリエイター向けに提供しているCREAS(クリエイターサポートプラットフォーム)は引き続き機能を強化していく。

コロナ禍をきっかけに、様々な業界においてSNS上で発信を始める個人が増加。多様化するニーズに合わせてオンライン上で完結する機能を強化することにより、多くの個人にとって必要不可欠なプラットフォームを目指していくという。

また、特にYouTubeアカウントを持つ個人にとって、MCN(マルチチャンネルネットワーク)を通じたコンテンツ管理を行う重要性は高まっていると考えており、引き続きMCNとしてのコンテンツ管理機能やチャンネルの成長を支援する機能を拡充していくとのことだ。

アドセンス中心の収益構造からアドセンス以外を伸ばす構造へ

従前は「専属クリエイターの拡大→アドセンス収益を拡大」が同社業績の牽引役であったが、今後は、中期戦略に沿ってクリエイターとのビジネス共創を加速する体制に変えるべく、社内リソースの最適化を推進。

結果として、全体の人員数を拡大しない形でアドセンス以外の業績を大きく伸ばしていくことが出来ると考えているという。

期待の1つであるP2C(Person to Consumer、ヒトを起点としたブランドづくり)においては、これまでも「MARINESS」や「ARAKA」といったブランドを立ち上げてきたが、足元ではUUUM内外のトップクリエイターとの取り組みを加速させている。

これらは主に今期4Qから来期にかけて立ち上がる見込みであるとのことだ。