ミズノと伊藤園の両社で、伊藤園独自の「茶殻リサイクルシステム」を活用し共同開発した、人工芝充填材Field Chip「Greentea」(フィールドチップ「グリーンティー」)が、帝京長岡高等学校のサッカーグラウンドで採用されたと発表した。
同充填材を全量使用したサッカーグラウンドは全国で初めてとのことだ。
Field Chip「Greentea」は、伊藤園で茶系飲料を製造時に出る茶殻を再利用しているという。
ロングパイル人工芝サッカー場1面(約8000㎡)で充填材として全量使用した場合、「お~いお茶」525mlペットボトル約43万本分の茶殻を配合し、黒ゴムチップの充填材と比較して表面温度の上昇を約7℃抑制するという。
またField Chip「Greentea」は、茶殻を配合した樹脂でできているためゴムチップ特有のにおいが無いとしている。
ミズノは、持続可能な社会の実現に向けて、2021年度からグローバルでサステナビリティ活動をさらに加速させ、社会課題解決を通じた事業の成長を目指し、スポーツフィールド分野でも二酸化炭素削減や人工芝利用によるマイクロプラスチック流出抑制などのサステナビリティ活動に取り組んでいるという。
伊藤園は、「茶殻リサイクルシステム」のコンセプトである「お茶を利用者の身近な製品へ活用する」という考えのもと、茶殻に含まれるカテキンなどの有効成分を活かした高付加価値製品を生み出す「アップサイクル」に取り組んでいるとのことだ。
また、人工芝充填材のような表面温度上昇抑制効果の他にも、茶殻には抗菌性・消臭性などの機能性があるという。
これら「未利用資源(茶殻)の持つ可能性」を活かした工業製品の開発に積極的に取り組むことで、環境に配慮した製品を創出しサステナビリティ活動を推進していくとのことだ。
Field Chip「Greentea」の特長
■Field Chip「Greentea」による二酸化炭素の削減
茶殻にはお茶の樹木(植物)が吸収した二酸化炭素が蓄えられているため、茶殻をリサイクルしたField Chip「Greentea」には、サッカーグラウンド1面あたりで大気中にある約4.3t-CO2の二酸化炭素を削減している計算になるという。
■表面温度の上昇抑制
Field Chip「Greentea」に配合している茶殻は、緑色で凹凸・細孔があるため、通常の人工芝充填材に比べて表面温度上昇抑制効果が期待できるとしている。
疑似太陽光を約2時間ずつ照射した2回の実験では、Field Chip「Greentea」の方が黒ゴムチップの充填材と比べ、表面温度の上昇を約7℃低く抑えられることが確認できたとのことだ。
■マイクロプラスチック流出抑制 人工芝「MS Craft」シリーズ
マイクロプラスチック流出抑制人工芝「MS Craft」シリーズは、パイル(芝葉)が充填材を覆う構造になっているため、直毛ロングパイル人工芝に比べ充填材の飛散を抑制。排水溝などへの充填材の流出を抑制するとしている。