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TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)は、12月6日、メガウェブにてオンラインイベントの「TGR 2022年体制発表」を開催。
イベントにはTGR活動を牽引するドライバーをはじめ、TGR WECおよびTGR WRCのチーム代表、社長の豊田章男、GAZOO Racing Companyプレジデントの佐藤恒治が集結。
TGRのこれまでの歩み、モータースポーツに取り組む意義を語るとともに、来シーズンへの新たな挑戦と参戦体制をライブ配信した。
■2021年シーズン 主な戦績
■2022年参戦体制(世界選手権)
<FIA世界耐久選手権(WEC)>
2022年も引き続き、同選手権の最高峰であるハイパーカー・カテゴリー(LMH車両)に参戦。
- 参戦車両は、新カテゴリーに合わせて新たに開発され、これまでのWEC参戦で磨いてきたハイブリッド技術「RACING HYBRID」を搭載して2021年は全勝でチャンピオンを獲得したGR010 HYBRID。
- ドイツ・ケルンのTOYOTA GAZOO Racing Europe GmbHを本拠地として2台で参戦。
<FIA世界ラリー選手権(WRC)>
- 2022年は、サステナブルなモータースポーツに向けた新たなレギュレーションの下、トップカテゴリーとなるRally1クラスに参戦。
- 参戦車両はフィンランドを拠点に開発された、GRヤリスをベースにハイブリッドシステムを搭載するGR YARIS Rally1。
- ヤリ-マティ・ラトバラ代表の下、3タイトル(マニュファクチャラー、ドライバー、コ・ドライバー)の2年連続獲得に向けてチャレンジするという。
- 世界のあらゆる道で戦いクルマを鍛え続けることで、もっといいクルマづくりをさらに進めていくとのことだ。
<ドライバー育成>
サステナブルなモータースポーツ業界づくりに向けて、優れた才能の発掘や育成、継続的なステップアップのサポートなど、日本および世界のトップカテゴリーで活躍できる若手ドライバーの育成と輩出を目的としたプログラムを継続的に実施している。
TGR WRCチャレンジプログラム
- 勝田貴元がWRC全戦にGR YARIS Rally1で参戦。
- 勝田に続き、WRCで活躍できる日本人若手ドライバーの発掘・育成を目的に、新たな参加ドライバーを現在選考中。来年1月にフィンランドにて最終選考を実施し、選出されたドライバーは4月よりフィンランドでの本格的なトレーニングに参加するとのこと。
TGR WECチャレンジプログラム
- 今後の対象ドライバーについては検討中。
WRCチャレンジプログラム同様、サステナブルなモータースポーツ業界づくりに向けて、世界のトップカテゴリーで活躍できるドライバーを育成、輩出すべく、ドライバーに対する育成およびステップアップのサポートなどを引き続き行っていく予定であるとしている。
なお、TGR-DC、TGR-DC RSについては、後日改めて発表。
<ダカールラリー>
- 2022年1月にサウジアラビアを舞台に戦われるダカールラリー2022に、最新ラリーレイド仕様のGRダカールハイラックスT1+ 4台体制で参戦。
【ダカールラリー2022 TGRチーム体制】
- トヨタ ランドクルーザー200で参戦するトヨタ車体のラリーチームであるチームランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)を支援。2021年は市販車部門において8連覇を達成、2022年ダカールで9連覇を目指す。
- 日野自動車の日野チームスガワラは、トラック部門(排気量10リットル未満クラス)にて12連覇を果たした。2022年ダカールでは、同部門にて、日野自動車初のレース用ハイブリッドシステムを搭載した車両で13連覇を目指す。
【ダカールラリー2022 TLCチーム体制】
【ダカールラリー2022 日野チームスガワラチーム体制】
<ニュルブルクリンク24時間レース>
- 新型コロナウイルス感染拡大によって2020年および2021年も参加を見送り、2022年こそはという思いで参戦に向けた準備を進めていたが、開催日程(2022年5月28日~29日)が国内の主要なレースと重複、かつ近接しており、十分なチーム体制下での参戦は困難であるため、来年度も参戦を見送り。
- 同サーキットにて開催されるNLSシリーズへスポット参戦し、もっといいクルマづくりへ生かす予定であるという。
■2022年参戦体制(国内選手権)
<全日本ラリー選手権>
- 2022年は2021年に続いてGRヤリス2台体制で、トップカテゴリーのJN1クラスに参戦。
- 社員が監督、エンジニアおよびメカニックとして参加し、「人材育成」と「もっといいクルマづくり」を実践する。
<SUPER GT>
GT500クラス
- 2022年もGRスープラGT500で参戦。
- トヨタカスタマイジング&ディベロップメント(TCD)を通じ、6チーム・6台に支援を行う。
- 阪口晴南とジュリアーノ・アレジが新たにGT500へ参戦。
GT300クラス
- GT300クラスの参戦体制は、後日発表。
<全日本スーパーフォーミュラ選手権>
- TRD(Toyota Racing Development)より、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン (TRD 01F)を6チーム11台に供給。
- タイヤは、横浜ゴム製のワンメイク。
- ジュリアーノ・アレジが新たに参戦。
<スーパー耐久シリーズ>
- ROOKIE Racing より、カローラスポーツをベースとした水素エンジン車両に加え、バイオマスを由来とした合成燃料を使用する、新型GR86をベースとした車両でST-Qクラスに参戦。
カーボンニュートラルの実現に向け新たな選択肢を検討するため、引き続きレースの現場で実証実験していくという。
同時に、SUBARUが新型SUBARU BRZをベースとした車両で参戦予定であり、共に競い合うことで技術開発を加速させていく。 - TOM’S SPIRITより、新型GR86でST-4クラスに参戦。
【モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくりに向けたROOKIE Racingとの挑戦】
ROOKIE Racingは、マスタードライバー、プロドライバー、ジェントルマンドライバー、社内の評価ドライバーといった多様な乗り手がレースに参戦するチームで、2020年からGRスープラ、GRヤリスでスーパー耐久シリーズに参戦を開始し、モータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくりに向けて連携してきた。
2021年のスーパー耐久シリーズでは、第3戦「富士SUPER TEC 24時間レース」からGRヤリスに替えて水素エンジン車両を投入し、モータースポーツの厳しい環境で鍛えることでアジャイルな水素エンジンの開発を推進。
毎戦課題を見つけ、次戦までに改善するサイクルを回すことで、初参戦からの約6か月間で、出力約20%、トルクを約30%向上させ、ガソリンエンジン以上の性能を実現したという。また、水素充填にかかる時間を初参戦時の約5分から2分以内へと短縮させたとのことだ。
水素エンジン車両の投入にあたり、スーパー耐久機構事務局(STO)や各サーキット関係者をはじめとする人々が協力をしている。
水素を「つかう」だけではなく、「はこぶ」「つかう」の選択肢を広げる取り組みも様々な企業・自治体と共に行っており、多くの関係者のおかげで業界の枠を超えた幅広い仲間づくりが広がっているとのことだ。
TGRは2022年も引き続きROOKIE Racingと共に、「意志ある情熱と行動」で、カーボンニュートラル実現に向け、新たな選択肢を広げる挑戦に取り組んでいくとしている。