Zホールディングスは、2022年4月に予定される東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、取締役会においてプライム市場を選択することを決議し、東京証券取引所にその申請書を提出したと発表した。
同社は、移行基準日時点(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準を充たしていないことから、下記のとおり、新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書を作成したとのことだ。
1.同社の上場維持基準の適合状況および計画期間
同社の移行基準日時点におけるプライム市場の上場維持基準への適合状況は、以下のとおりとなっており、「流通株式比率」については基準を充たしていないという。
同社は、「流通株式比率」に関し、2023年度までに、上場維持基準を充たすための各種取組みを進めてまいります。
2.上場維持基準の適合に向けた取組みの基本方針、課題および取組内容
(1)取組みの基本方針
同社は、より高いガバナンス水準を備え、投資家との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場であるプライム市場への移行を選択し、以下①②の方針を着実に実施していく事が同社の持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現に向けて重要であると考えているとのことだ。
①「流通株式比率」を向上させることで、より一般株主保護の環境ならびにガバナンスの透明性の向上を図ること
②LINEとの経営統合に関する戦略方針説明会にてご説明の戦略を推進していくこと
(2)課題および取組み内容
同社は、2021年3月1日のLINEとの経営統合により、親会社であるAホールディングスによる保有をはじめとした大幅な株主構成の変更が生じた結果、上記1.の表のとおり「流通株式比率」がプライム市場に上場維持可能な35%を下回っているという。
同社としては、多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額(流動性)を持ち、より高いガバナンス水準を備え、投資家との建設的な対話を中心に据えて持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットする企業向けの市場であるプライム市場への移行を計画している。
しかし、新基準における流通株式比率が35%以上を維持することができず、上場廃止、又はプライム市場以外の市場への移行を余儀なくされることによる流動性の減少および株主価値の低下が懸念されるとのことだ。
そこで同社は、かかる懸念を回避するために、Aホールディングスが所有する同社普通株式(4,956,651,075株)の一部を、公開買付けによる自己株式取得によって取得し(以下、同公開買付け)、当該自己株式取得によって取得された同社普通株式を、同社の発行する行使価額修正条項付き新株予約権の行使に伴い処分することで、株主価値を毀損することなくプライム市場の上場維持基準を充たすことができ、かつ、当該方法が最適な方法であるとの考えに至ったとしている。
そして同社は、取締役会において、「自己株式の取得および自己株式の公開買付け実施の件」(同公開買付けの実施)および「第三者割当による2021年度第1回新株予約権の発行の件」(同新株予約権の発行)に加えて、「自己株式の消却の件」を決議。
この公開買付け(買付予定数103,000,000株(所有割合:1.36%))については、同社はAホールディングスとの間で、同社が所有する同社普通株式の全部4,956,651,075株(所有割合:65.25%)を同公開買付けに応募する旨の応募契約書を、同公開買付けの買付価格が正式に決定される2021年12月9日付で締結する予定であるとのことだ。
そして、同社が同公開買付けにより取得した自己株式と同数の同社普通株式を目的とする同新株予約権が発行・行使され、当該行使により取得された同社普通株式が一般株主に売却された場合には、同社普通株式の流通株式比率の上昇が見込まれるという。
加えて、同公開買付けの成立を条件として、同社普通株式60,172,034株(発行済株式総数に対する割合:0.79%)を消却すること(以下、同己株式消却)で、同社普通株式の流通株式比率の上昇が見込まれるとのことだ。
同社としては、自己株式の取得と同時に同新株予約権を発行することにより、短期的には同社普通株式の需給および市場価格に与える影響に配慮しつつ、自己株式の取得に伴う自己資本の圧縮により資本効率の向上を目指していくことができ、中長期的には財務基盤の強化を図る資金充当に活用し、今後の成長投資等のための資金需要に備えるとともに、株式流動性の向上をも目指していくことができるものと考えているという。
そして、この自己株式消却を併せて行うことで、株式流動性の更なる向上に資するものと考えているとのことだ。