清水建設は2022年4月から、自社保有の賃貸用オフィスビル3棟を対象に、オフサイトコーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)を活用した太陽光由来グリーン電力の導入を開始すると発表した。

同PPAは、同社、再生可能エネルギー発電事業者のクリーンエナジーコネクト、小売電気事業者のスマートエコエナジーの3社間で締結したもので、クリーンエナジーコネクト社が同社専用に12カ所の低圧太陽光発電施設を建設し、発電される電力と環境価値を20年間にわたり、スマートエコエナジー社を介して当該ビルに供給するという。

清水建設は、グループ環境ビジョン「SHIMZ Beyond Zero 2050」に掲げたカーボンニュートラル施策の一環として、不動産事業部門が保有する賃貸物件の使用電力の脱炭素化を進めている。

同部門では、同社が電力需給契約を締結している賃貸オフィスビル・物流施設について、2030年度までに再生可能エネルギー電力の導入率100%を達成する計画であるとのことだ。

今回の取り組みはその一環であり、オフサイトコーポレートPPAの活用は同社初の事例となるという。

なお、同件は、環境省の補助事業「令和3年度オフサイトコーポレートPPAによる太陽光発電供給モデル創出事業」に採択されているとのことだ。

同PPAの適用対象物件は、秋葉原アイマークビル(東京都台東区)、飯田橋アイマークビル(東京都千代田区)、新橋アイマークビル(東京都港区)の3棟。

クリーンエナジーコネクト社が新設する太陽光発電施設の合計出力は1MWで、農地の跡地などの平地を利用して低圧電源を広域に分散配置することで、災害リスクや発電量低下リスクを低減し、電力供給の安定化を図るという。

当該ビルでは、同PPAに基づく供給電力でビル全体の電力使用量の2~3割をまかない、残りの使用電力についてはスマートエコエナジー社が調達した再生可能エネルギー電力や環境価値の供給を受ける予定であるとのことだ。

同社は今後、オフサイト型のみならず、自社保有賃貸物件の屋上等を活用したオンサイト型のコーポレートPPAなどにも取り組み、再生可能エネルギー電力の導入拡大ならびに長期安定的な確保につなげていく考えであるとしている。