Amazon.com, Inc.の関連会社であるアマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社は、セブン‐イレブンやイトーヨーカドーなどを国内で展開するセブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)が、利用者のデジタル体験価値向上に向けてAWSを採用したことを発表した。
セブン&アイは、AWS上に構築した共通基盤を活用し、「リアル」と「デジタル」を融合した、グループ横断のデジタルトランスフォーメーションを推進している。
また、ストレージやセキュリティを含む幅広く、奥深いサービスを展開するAWSを活用し、新型コロナウィルス感染症の拡大で変化した利用者のニーズに応え、新たな顧客体験を創造していくため、俊敏なデータドリブン経営への変革を進めているとのことだ。
セブン&アイはこれまで、グループ各社ごとに異なるセキュリティ規程のもと、オンプレミスのITインフラストラクチャ環境での運用を行っていたが、サイロ化したアプローチでは、セブン&アイグループの多彩な業態間で顧客インサイトを共有し、グループを横断した新たな利用者向けデジタルサービスを構築することは困難であったとのことだ。
今回、AWS上にグループ共通のイノベーション基盤を整備することで、同社はデジタルな顧客体験をグループ横断で迅速に展開するための俊敏性と拡張性を備えるとともに、利用者にグループ各社で一貫性のあるサービスを提供できるようになったという。
また、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)を活用し、グループ各社の購買データを共通のデジタルイノベーション基盤に一元化するデータレイク(データ蓄積基盤)を構築することで、顧客管理や各種マーケティング、商品開発など、利用者の体験価値向上の基礎となる複数のアプリケーションも開発。
さらに、AWS上に構築した共通基盤により、グループ統一のセキュリティ規程や規程に則ったITインフラストラクチャの運用も可能に。
AWSの脅威検知サービスであるAmazon GuardDuty(悪意のあるアクティビティに対してAWS アカウントとワークロードを継続的にモニタリングするサービス)などと連携するクラウドセキュリティ体制管理サービスAWS Security Hubを活用することで、共通基盤上の複数のAWSアカウントについても一元的にセキュリティアラートを表示・管理し、継続的なセキュリティベストプラクティスのチェックを行うことが可能となったとのことだ。
セブン&アイ・ホールディングス 執行役員・グループDX推進本部長 兼 グループDXソリューション本部長 兼 経営推進本部DX推進担当 シニアオフィサーの齋藤 正記氏は、次のように述べている。
「ウィズ・アフターコロナにおける利用者の価値観や行動の変化などから、日本の小売業は大きく変化しています。セブン&アイはこの変化の先を行くため、AWSを活用してグループ全体のイノベーションを推進しています。グループを横断した基盤を構築し、グループ各社にアジリティを提供することにより、何百万人もの利用者に豊かな毎日を過ごしていただけるよう、新たな顧客体験を今後も提供して参ります」
また、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 代表執行役員社長の長崎 忠雄氏は、次のように述べている。
「日本の消費者は常に小売企業に新たな顧客体験を求めています。こうしたなか、AWSはセブン&アイ・ホールディングス様の新たな体験価値創造をご支援できることを嬉しく思います。グループ各社が単一のデジタル基盤の上で迅速にデータ活用を実現し、利用者のみならず、同社グループの幅広い取引先の体験も継続して向上することができます。クラウドを活用したデジタルトランスフォーメーションを通じて、セブン&アイ様はイノベーションを飛躍的に加速し、素早い取り組みを通じて、利用者向けサービスを広く開発することも可能となるでしょう」