学研ホールディングスのグループ会社の学研塾ホールディングスおよび学研メソッドと富士ソフトは、新しいオンライン学習環境の実現に向けて共同実証を実施し、2022年春からのサービス提供を予定していることを発表した。

この実証では、富士ソフトが開発した仮想オフィス空間「FAMoffice(ファムオフィス)」の技術と、学研塾ホールディングスおよび学研メソッドが有する学習塾の運営ノウハウを活かして、生徒の学習意欲と競争心の向上につながる仮想学習空間(バーチャル学習塾)の創出を目指す。

昨今のコロナ禍の影響を受け、オンライン学習が一般的なものとなり、生徒の学習意欲や競争心が低下するといった課題が顕在化しているという。

今回、両社は「FAMoffice」の技術と学習塾の運営ノウハウを活用し、生徒の学習意欲や競争心の向上につながる仮想学習空間を開発するための共同実証の実施に至ったとしている。

同実証では、仮想空間上に対面時と変わらない学習塾環境を再現したバーチャル学習塾を開校し、先生と生徒は自分の分身(アバター)で通塾して、先生や仲間と過ごす。

先生は、授業中に学習意欲の薄かった生徒に対する個別フォローを、生徒は、先生への個別質問や仲間との会話などを行ない、学習理解を深めたり、他の仲間が頑張っている姿から刺激を受けたりといった体験をするとのことだ。

これらの体験から学習意欲や競争心を高めるための必須要件を、生徒と保護者へのユーザーリサーチにより抽出。

同実証の結果を基に、富士ソフトは新しいオンライン学習サービスを開発し、「FAMschool(ファムスクール)(仮称)」として2022年4月からの提供を目指す。

将来的には、「FAMschool」内での行動データと成績などの学習結果や学習履歴データなどを組み合わせて、テスト結果などからは発見することができなかった生徒それぞれの特性の可視化にも挑戦し、より的確な指導に結び付けることが可能となる教育プラットフォームを目指すとしている。