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HawkEye 360が約165億円の資金調達を発表。電波の発信源を特定するサービスの拡大へ
自社の小型地球観測衛星のデータを解析し複数のソリューションを展開しているHawkEye 360 Inc.が、シリーズDラウンドの資金調達を実施し1億4500万ドル(約165億円)を獲得しました。これで同社の累計調達額は3億200万ドル(約344億円)となりました。今回獲得した資金を活用して、気候変動・海洋・防衛といった分野のサービスをさらに成長させていく予定です。
今回のラウンドは、ニューヨークを拠点とするVCであるInsight Partnersと、宇宙ビジネスに特化したVCでありロンドン証券取引所に上場しているSeraphim Space Investment Trust (LSE:SSIT)がリードインベスターを務め、他に12社が参加しました。
HawkEye 360の主力プロダクトであるRFGeoは、同社の小型衛星Pathfinderを活用して、地上から発信されている電波から電波の発信源を特定するサブスクリプションサービスです。
また、同じく代表的なプロダクトであるSEAkerは、AIS分析をベースとしたサブスクリプションサービスです。洋上の船舶観測は、SAR衛星やAISの発信信号を観測することが一般的でした。Pathfinderはこれらの観測方法に加えて電波の発信源から船舶の位置情報を把握することができるため、それぞれのデータを比較することで、違法操業の検知や、船舶の活動状況の管理や予測などが可能となります。
今回の資金調達に関して、Seraphim SpaceのCEOのMark Boggett氏は以下のコメントを出しています。
We’ve carefully built our relationship with HawkEye 360 since 2017, culminating with them participating in the AWS Space Accelerator managed by Seraphim. We are convinced that HawkEye 360 has both the technology advantage together with the commercial and governmental relationships to transform, reshape and develop the industry on a global scale at speed.
(訳:我々とHawkEye 360との関係は2017年から始まり、Seraphimが運営するAWS Space Acceleratorに参加したことでさらに良好な関係となりました。HawkEye 360は、技術的な優位性に加えて、商業・政府双方のパートナーシップを有しており、この業界をグローバルに変革し発展させることができると確信しています。)
※AWS Space Acceleratorについてはこちらの記事を参考に(Seraphim CapitalがAWSと共同で開催するアクセラレータープログラムに参加する10社を決定【週刊宇宙ビジネスニュース 2021/6/7〜6/13】)
自社で小型衛星を所有し運用しながら、データ解析ソリューションも展開するHawkEye 360。今後の更なる事業の成長が楽しみです。
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