観光庁は、「新たな経済対策」が閣議決定されたこと等を踏まえ、今後の観光需要喚起策の考え方等について発表した。

1.「県民割」(地域観光事業支援)の支援対象範囲の拡大等について

・「ワクチン・検査パッケージ」の活用を前提として、県民割支援の対象に隣県を追加。
・併せて、県民割支援の期間を令和4年3月10日宿泊分(3月11日チェックアウト分)まで延長。

【これまでの制度設計】
● 居住地と同一都道府県内の旅行を割引支援。支援内容など制度設計は全て都道府県において決定
● 国は1人泊当たり5千円・商品代金の50%を上限に支援(日帰り旅行も対象)、クーポン券は1人泊当たり2千円上限に追加支援
● ステージⅡ相当以下と判断した都道府県においてのみ実施可能

【今般の拡充内容】
○ これまで「県民による同一都道府県内旅行」のみを対象としていたが、感染状況や都道府県からの要望等を踏まえ、今般新たに、「隣接都道府県からの旅行者による県内旅行」も支援の対象とする。

<要件>
・ ワクチン接種証明やPCR検査陰性証明等の活用により、安全・安心の確保が図られていること
・ 支援対象とする都道府県が事業実施県の割引事業の内容に同意していること
・ 旅行先又は出発地の都道府県がレベル3となった場合は停止。ただし、それ以外の場合にも都道府県知事の判断により停止可能。

2.「新たなGoTo トラベル事業」等について

・今後、感染状況等を十分に踏まえつつ段階的に観光需要喚起策の対象範囲を拡大していく。
・具体的には、感染状況等を踏まえつつ、年明け以降の適切なタイミングで、県民割の支援対象を近隣圏域(地域ブロック)へ拡大し、その後、年末年始の感染状況等を改めて確認することを前提として、全国規模でのGoToトラベル事業の再開も念頭に準備を進めていくこととする。

なお、「新たなGoTo トラベル事業」等の実施の前提として、以下を提示。

●開始のあり方や停止のあり方は、専門家の意見を踏まえて詳細を決定。
●感染状況等に応じて必要な場合には、事業を停止するなどの柔軟な運用を図る。

【概要】

1.安全・安心な旅行環境の確保
●技術実証の結果を踏まえ、ワクチン・検査パッケージの活用。(ワクチン接種証明又は陰性証明を利用条件として設定)
●感染防止対策
・旅行後2週間以内に陽性となった際の報告や旅行中の行動履歴の記録の利用条件化。
・GoTo事務局による旅行2週間後の健康状態に関する抽出調査の実施。

2.中小事業者への配慮
●低価格帯の実質割引率の引上げ。(割引率・割引上限額の引下げ、地域共通クーポンの定額化)
●団体旅行について、GW後の都道府県の実施において一定の専用給付枠を割り当て。

3.旅行需要の平日への分散
●平日は地域共通クーポン券を上乗せ。

4.地方への観光を支援するための配慮
●交通費を含む旅行商品は割引上限額を引上げ。

5.ソフトランディング措置
●割引率等の段階的引き下げ。
●GW後は都道府県による事業とし、地域の実情に応じて柔軟に割引率等を設定。

【再開時~GW前】国による事業
割引率   :30%
割引上限額 :10,000円、7,000円(交通付商品以外)
日帰り旅行 :3,000円
クーポン券 :平日 3,000円、休日 1,000円

【GW後~夏の繁忙期前までを念頭】都道府県による事業
割引率   :20%
割引上限額 :8,000円、5,000円(交通付商品以外)
日帰り旅行 :2,000円
クーポン券 :3,000円