豊田通商、ウガンダで電動バイクの製造・販売などを展開するZembo社へ出資 アフリカでのカーボンニュートラル実現へ

豊田通商とグループ会社であるCFAO SAS(以下、CFAO)は、共同で設立したMobility 54 Investment SAS(以下、モビリティ54)を通じて、ウガンダで電動バイクの製造・販売および電動バイク向けバッテリー交換ステーション事業を展開するZembo SAS(以下、ゼンボ社)に、新株予約権付転換社債の引き受けによる出資を決定したと発表した。

1. 背景

アフリカで最も人口の多い国のひとつであるウガンダ(約4,570万人、2020年時点)では、中間所得層の台頭などにより、急速に都市化が進んでいる。首都カンパラの人口は、2024年までに410万人に達する見通しとのことだ。

また、約60%の人々が市内の移動に利用するバイクタクシー(ボダボダ)は、高い利便性や他の公共交通手段が少ないことを背景に、今後も増加し続けると予測されており、都市部における交通渋滞と、大気汚染が深刻化しているという。

さらに、アフリカ諸国のガソリン価格は他地域の先進国と同等であるため、燃料代はバイクタクシー運転手に大きな負担となっており、アフリカの交通産業における重要な社会課題の一つとなっている。

アフリカで電動バイクが普及することにより、大気汚染の改善や交通産業の収益性向上といった、社会課題の解決に繋がることが期待されているとのことだ。

ゼンボ社の電動バイク

<社会課題の解決と会社の成長を両立する最重要課題>

2. ゼンボ社について

ゼンボ社は2018年にウガンダで設立され、アフリカのカーボンニュートラル実現およびドライバーの待遇改善を目指し、電動バイクの組み立て、小売販売や自社リース、バッテリー交換ステーション事業などを展開。

電動バイクは、バイクの組立キットとバッテリーを別々に輸入し、現地で組み立てを行っているとのことだ。

また、直接顧客への小売販売に加え、自社での割賦販売、ならびにモビリティ54が出資するTugende社を含めた提携金融機関を通じた割賦販売も行っているとのことだ。

バッテリー交換ステーション事業では、現在カンパラ市内で21カ所のステーションを運営・展開しており、月間平均利用回数は約1万回。また一部ステーションには太陽光パネルを設置し、再生可能エネルギーによる自家発電でのバッテリー充電を行い、Well to Wheelでのカーボンニュートラル実現に取り組んでいるとのことだ。

3. ゼンボ社への出資を通じた今後の事業展開

豊田通商グループは、サステナビリティ重要課題(マテリアリティ)として掲げる「脱炭素社会移行への貢献」に向け、温室効果ガス排出目標と関連事業強化のための投資戦略を策定し、その取り組みを加速している。

今回の出資は、アフリカでのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの一環であり、アフリカ域内の自動車事業ネットワークを最大限に活用し、ゼンボ社の電動バイクおよびバッテリー交換ステーション事業を、ウガンダ以外の国・地域へ積極的に展開予定。

また、豊田通商グループの電池事業や太陽光パネル事業との協業など、既存事業・パートナーとのシナジーを創出に取り組むとのことだ。

太陽光パネル付きバッテリー交換ステーション

豊田通商グループは、モビリティ54を通じて、アフリカで革新的な技術・サービスを展開するパートナー企業へ積極的に投資を行い、事業の拡大やサービス拡充への支援、既存事業との相互シナジーを創出していくことで、より包括的にアフリカの社会課題の解決に取り組んでいくとしている。

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