企業向けの教育研修事業と若年層向けの就職支援事業を展開するジェイックは、中退者向け就職支援サービス「セカンドカレッジ®」の受講生に対して行った、アンケート結果を発表した。
アンケートの結果、以下の3点が分かったとしている。
●中退者のうち、約2割が新型コロナウイルスの影響で中退
●中退者のうち、留年経験者は過半数
●過去3年間で中退者の留年経験割合は増加傾向
■新型コロナウイルスが与える中退への影響
文部科学省が、2020年4月から12月までの中退の状況を調査した結果、中退した学生は2万8647人で、このうち新型コロナウイルスの影響と分かっている人は1,367人(中退者全体の約4.8%)だったという。
一方、同社実施のアンケートでは、「新型コロナウイルスの影響を受けた」と答えた中退者の割合は18.2%と、文部科学省が発表した数字(約4.8%)の約4倍の結果になったという。
これは、就職支援サービスを提供する同社に登録する中退者には、「経済的な影響でやむを得ず中退したが、早めの就職を考えている」という人が文部科学省の調査対象層に比べ多く存在するから、ということが可能性として考えられるとしている。
また、2021年4月~6月に実施した同アンケートは、「新型コロナウイルスの影響を受けた」と答えた中退者の割合は13.2%で、影響を受けている学生が増加傾向にある可能性が示唆されたとのことだ。
■過去3年間、同時期の留年経験の推移
また、過去に同社が実施したアンケート調査から留年経験の推移について分析したところ、2019年・2020年・2021年それぞれ7~10月について、いずれの年も中退者に占める留年経験者の割合は半数を超えていたことが判明した。
なお、各年同時期の留年経験者の割合は若干増加傾向にあることが見て取ることができ、2019年と2021年では5.0ポイントの差となったという。
2019年に対し、2021年においては、コロナ禍での大学生活という違いがあり、中退者からは「授業がオンラインになったことによって、ついていけなくなった」「周囲に相談できず、単位が取れなかった」といった声が上がっていることからも、コロナ禍の大学生活とが留年には関係性がある可能性が示唆されるとのことだ。
【調査概要】
対象:同社サービス「セカンドカレッジ®」受講生
回答者数:113名
期間:2021年7月1日~10月31日
<参考>
ジェイック『中退(予定者)に対するアンケート』