帝国データバンク横浜支店は、企業概要データベース「COSMOS2」(147万社収録)の中から、日産自動車グループと直接、間接的に取引がある下請企業(一次下請先、二次下請先)を抽出し、社数・従業員数(非正規社員を除く)合計、都道府県別、業種別、年商規模別等に集計し調査を実施。
<調査結果(要旨)>
1.日産自動車グループの「一次下請先」は1,872社、さらに一次下請先と取引を行う「二次下請先」は1万4,974社。直接、間接に取引がある下請企業の合計は全国で1万6,846社に達した
2.都道府県別に見ると、「東京都」が3,945社(構成比23.4%)でトップ。以下、「大阪府」1,831社(同10.9%)、「愛知県」1,770社(同10.5%)、「神奈川県」1,626社(同9.7%)が続いた
3.年商規模別に見ると、一次下請先、二次下請先ともに「1億~10億円未満」が最も多く、合計で8,917社となり、構成比53.0%と過半数を占める。
直近決算の売上増減が判明した1万5,366社の売上推移は、「減収」が1万2,148社(構成比79.1%)で約8割。前年同時期の減収比率(55.0%、7,438社)を大きく上回る
日産自動車グループの「一次下請先」は1,872社、さらに一次下請先と取引を行う「二次下請先」は1万4,974社。この結果、直接、間接に取引がある下請企業の合計は全国で1万6,846社に達したという。
一次、二次下請先の合計を都道府県別に見ると、「東京都」が3,945社(構成比23.4%)でトップ。以下、「大阪府」1,831社(同10.9%)、「愛知県」1,770社(同10.5%)が続いた。
本社のほか、横浜工場や追浜工場がある「神奈川県」は1,626社(同9.7%)で4位となった。
このほか、子会社のジヤトコ富士事業所がある「静岡県」が918社(構成比5.4%、5位)、同じく子会社の日産自動車九州がある「福岡県」が452社(同2.7%、8位)、栃木工場がある「栃木県」が303社(同1.8%、13位)に。
業種別
業種別に見ると、一次下請先では「自動車部品・付属品製造業」が76社(構成比4.1%)で最も多い。
以下、「受託開発ソフトウェア業」(73社、構成比3.9%)、「電気機械器具卸売業」(72社、同3.8%)の順となった。
二次下請先では、「受託開発ソフトウェア業」が662社(構成比4.4%)でトップ。以下、「電気機械器具卸売業」(548社、同3.7%)、「一般機械器具卸売業」(428社、同2.9%)、「各種機械・同部品製造修理業」(404社、同2.7%)が上位に名を連ねた。
年商規模別
年商規模別に見ると、一次下請先、二次下請先ともに「1億~10億円未満」が最も多く、合計で8,917社となり、構成比53.0%と過半数を占めた。以下、「10億~100億円未満」(4428社、構成比26.3%)、「1億円未満」(2717社、同16.1%)の順となった。
直近決算の売上推移
日産自動車グループと直接、間接に取引がある下請企業1万6,846社のうち、直近決算における売上増減が判明した1万5,366社について売上推移を見ると、「減収」が1万2,148社(構成比79.1%)を数え、約8割にのぼることが分かった。
他方、「増収」は3,218社(同20.9%)にとどまった結果に。
前年同時期の調査では、「減収」が55.0%(7438社)、「増収」が45.0%(6095社)となっており、この1年で減収企業の割合が大きく高まったことが分かる。
生産停滞の長期化による下請先への影響を当面注視
自動車業界を取り巻く経営環境が厳しさを増している。東南アジアの新型コロナウイルス感染拡大、世界的な半導体供給不足、原材料価格の高騰などが続くなか、各社ともに減産を強いられるなど、先行き不透明感が高まっている。
生産停滞の長期化は販売面にも影を落とし、10月の国内新車販売台数は4か月連続で前年同月を下回り、10月単月の販売としては過去最低となった。
なかでも、前期決算まで2期連続の巨額赤字を余儀なくされた日産自動車は、今期業績が改善傾向にあるとはいえ、予断を許さない状況が続いているという。
同調査で明らかになったように、1万6,800社超の下請先を全国に抱える日産自動車グループの業況は、本社や複数の工場を抱える神奈川県をはじめ、主な生産拠点のある県の下請企業に今後大きな影響を与えかねないという。
直近決算で8割が減収となるなど、下請先の多くはコロナ禍で体力を消耗している。半導体不足は来年以降も続くとの見方もあるなか、生産停滞の長期化による下請先への影響を当面注視していく必要があるとのことだ。