stu・KDDIら、ローカル5Gでライブ映像をワイヤレス伝送する実証実験を開始 ホールをDX化しライブエンターテインメントを支援

stu、KDDI、一般社団法人渋谷未来デザイン(以下、渋谷未来デザイン)、NHKエンタープライズ(以下、NEP)は、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)において、映像撮影用のカメラ配線をローカル5Gに置き換えるワイヤレス映像撮影システムの実証実験を開始すると発表した。

4社は、コロナ禍など売上が減少する状況下でも継続してライブエンターテインメントを実施するため、運営コスト削減やコンサートホールのDXに向けて取り組んでいくとのことだ。

なお同実証実験は、stuを幹事とするコンソーシアムとして、総務省「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」に申請し、「ローカル5Gネットワーク網を活用したコンサート空間内におけるワイヤレス映像撮影システムの構築」として2021年8月31日に採択されたという。

コロナ禍におけるライブエンターテインメントは、公演回数の減少や動員客数の入場制限などにより、一公演あたりの売上が大きく減少。

一方、機材の設営などにかかる費用は、公演回数や動員客数とは関係なく一定額発生するため、コロナ禍のような売り上げが減少する中では、運営コストの低廉化による収益の確保が必要となっている。

同実証実験では、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)において、運営に必要なコスト削減やローカル5Gのコンサートホール内での利活用の検証を目的に、ローカル5Gで映像伝送を行うワイヤレスカメラを活用したライブイベントの映像撮影システムの検証を行うという。

楽器や音響機材など、さまざまな無線が使用されるコンサートホールにおけるローカル5Gの有用性についての検証のほか、低コストで高品質な設営が行える映像撮影システムの確立によるオンライン配信などの新たなユースケースを創出し、コロナ禍など売上が減少する状況下でも継続的に収益を確保できる環境の構築を目指すとのことだ。

なお同実証実験は、文化の発祥地である渋谷で長年多くの人に愛され続け、幅広い世代に多彩な文化・芸術を発信してきたLINE CUBE SHIBUYAで実施。

LINE CUBE SHIBUYAを保有する渋谷区の協力に加え、KDDIや渋谷未来デザインを中心とする「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」とも連携を行い、LINE CUBE SHIBUYAが次世代型ホールとしての役割を担うことを目指すとともに、創造文化都市・渋谷の発信に貢献していくとしている。

同実証実験の概要
公募案件名:総務省「令和3年度 課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」
実証事業名:ローカル5Gネットワーク網を活用したコンサート空間内におけるワイヤレス映像撮影システムの構築
実証会場:LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
実証概要
・ライブエンターテインメント業界が抱える課題の解決および新たな価値の創出などに資するローカル5Gユースケースの検証。
・多様な空間において短時間で設営可能かつ低コストでのイベントの運営および配信の実現を目的に、複数台のワイヤレスカメラを活用した映像転送システムの実証を実施。
・コンサートホールの特殊な壁面構造(ボックスインボックス構造)におけるローカル5Gの電波減衰のモデル化、建物侵入損を考慮した電波伝搬モデルの精緻化を実施。

各社の役割

stu(代表)
全体統括、課題実証主体、免許取得、請負主体

KDDI
技術実証統括、キャリア5G協調連携

渋谷未来デザイン
実証会場協力団体などとの連携調整、地域実装に関するアドバイス、実証結果の普及促進

NEP
課題実証統括、放送技術協力、実証公演企画

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