“可能性をデザインする”NODは、ネクアス、Booleanとともに、有機廃棄物である”コーヒーかす”を素材として用いた大型3Dプリント家具の製造をしたと発表した。

抽出後のコーヒーかすからは、温室効果ガスであるメタンガスが発生するため環境問題のひとつとされている。

同社は、バイオマス素材と3Dプリント技術により、循環型社会を目指すプロジェクト『RECAPTURE』(https://recapture.jp)を推進しており、これまでも植物性プラスチック酢酸セルロースや卵の殻を素材として用いた大型家具を製造してきたという。

今後はカフェや食品メーカーとの協業により、オーダーメイドのプロダクト開発につなげていく予定であるとのことだ。

プロジェクト『RECAPTURE』について

「RECAPTURE」は、酢酸セルロースをはじめとした⽣分解性バイオマス素材や有機廃棄物などを3Dプリンターによって加⼯・再利⽤し、循環型の都市づくりを⽬指すプロジェクト。

これまでの都市空間を構成する要素の多くは、使い終わった後、廃棄や取り壊しをするのが一般的であったが、同社らが目指すのは、再利用可能な素材を柔軟なデザインが可能な3Dプリンターを活用し加工することで、作り手がクリエイティビティを発揮しつつ、素材の面から環境負荷の低い都市を作ることであるという。

「RECAPTURE」は「捉え直す」という意味を持っており、⼈間と⾃然の関係、素材の持つ可能性、都市のあり⽅など、様々なものを捉え直すことを通じて、未来を創造するという思いを込めて名付けられたとのことだ。

食品などの製造工程から排出される有機廃棄物の再資源化は、持続可能な社会づくりのために欠かせない領域。

世界では、3Dプリンティング技術を用いた有機廃棄物の再利用が進んでいるが、日本では、ほとんど事例がないのが実情であるという。

有機廃棄物の資源化、3Dプリンターによるプロダクト化のプロセスを用いることで、次のような未来を実現できると考えているとのことだ。

本プロセスを活用した新しいプロダクトづくりの可能性

・オフィスから出る廃棄物を利用し、オフィスで使用する大型家具を作り続けるエコシステムの実現
・飲食店や食品メーカーと協業し、製造過程で排出される廃棄物を使った大型家具や飲食空間などの製造
・商業施設や公共施設から出る廃棄物を利用した、橋などのインフラ設備や家やホテルなど建設

廃棄物を素材として捉え直すことで、分解と構築のサイクルを様々なプロダクトに実装し、生活者の都市への関与に新しい視点を投げかけるとしている。

なお、これまで同社が製造してきた、酢酸セルロースや卵の殻を素材とした大型3Dプリント家具の展示会を11/9から11/14にて、LIFULL HUBにて開催。実際に触れることも可能とのことだ。