日揮ホールディングスは、旧札幌プラスチックリサイクルによって商用運転が行われた実績のある廃プラスチックの油化プロセスに関する技術を活用した、ケミカルリサイクルに関する自社ライセンスの開発を開始したことを発表した。
旧札幌プラスチックリサイクルで適用されていた油化プロセス技術は、他の油化プロセス技術では事前除去する必要がある塩化ビニル(PVC)を同時に処理することが可能であり、残渣を適切に排出することで安全かつ安定的に連続運転が可能という技術的な優位性を有しているという。
同プロセス技術は、旧札幌プラスチックリサイクルによって2000年から10年間、年間1万5千トン規模の処理量で商用運転が行われた実績を有しており、油化プロセス技術の中で最も信頼性の高い技術であると考えているとのことだ。
同社グループは、同プロセス技術の技術的優位性、および実績をベースに、プロセス技術全体のさらなる効率化や処理能力の向上を目指した装置の大型化による経済性向上に向けた技術改良を図り、2022年のライセンス開始を目指すという。
廃プラスチック油化事業は、原料となる廃プラスチックの収集に加えて、製造された油を既存の精製設備などを活用していかに効率的に製品化できるかが、ケミカルリサイクルのサプライチェーン構築に向けて重要となるとしている。
同社グループは、これまで蓄積してきた石油精製・石油化学プロセスの設計技術および高度なプロジェクト管理能力を活用し、顧客が所有するプラント全体の付加価値向上に資する提案を行っていくとのことだ。