三菱地所は、WELL ROOMを設立し、多言語対応のヘルスケアサービス「WELL ROOM」を2021年11月2日に開始したと発表した。
同サービスは、日本人や外国人の区別なく従業員の健康維持・管理をサポートしたい法人に向けたB to B to E(employee)のWebサービス。
主に従業員数50名未満の中小企業やスタートアップ企業等を対象としており、多言語や異文化に対応した健診実施医療機関の紹介やメンタルヘルス相談サービス、産業医相談サービスを提供することで、日本で働く外国人が日本人と同じレベルでヘルスケアのサービスを享受できる環境づくりを支援し、日本で働く外国人の生活上で抱える課題や不安解消を目指すとのことだ。
近年、在留外国人数は日本全国で増加基調にあるが、多言語対応の医療機関が少ないことから、健康や医療に関するサポートが十分とは言えない状況であるという。
特にコロナ禍においては、相談相手が日本に少ない傾向にある在留外国人のメンタルヘルス対応も問題となっており、早急な解決が求められている。
三菱地所グループはこれまでも、まちづくりを通じて、人やまちの課題解決に向き合ってきたが、同サービスを、丸の内エリアをはじめとする様々な企業に提供することで、更なるまち全体の付加価値向上に貢献していくとしている。
なお、同事業は、同社が従来の不動産業に捉われない幅広い事業を育成することを目的として実施している「新事業提案制度」にて提案・採択されたという。
今後も既存ビジネスとのシナジーが期待される新事業をはじめ、まちづくりに関わるあらゆるサービスの提供を目指していくとのことだ。
■「WELL ROOM」サービスとは
【サービスの特徴】
1.多言語対応により、外国人/日本人の区別なく従業員の一貫した健康管理を実現
2.外国語対応可能な健診実施医療機関の紹介や予約管理をシステムにて提供
3.メンタルヘルス相談や産業医相談のサービスをリーズナブルな料金で提供
【サービス詳細】
①健診実施医療機関の紹介
・従業員の法定健診実施にあたり、外国語対応ができる健診実施医療機関を紹介
・問診票/結果表の翻訳のほか、従業員の健診予約管理などもシステム上で可能
②メンタルヘルス相談サービス
・コロナ禍で注目されているメンタルヘルスについて、「WELL ROOM」が提携する医師や臨床心理士に従業員がオンラインで相談が可能
※現在は日本語/英語/中国語/スペイン語/ポルトガル語の5か国語に対応
③産業医相談サービス
・「WELL ROOM」が提携する産業医経験豊富な医師から、顧客企業は健康管理に関する助言や指導等を受けることができ、従業員の面接指導等も一定の範囲で対応可能
※現在は、日本語/英語に対応
【サービス導入のメリット】
●企業
・外国人/日本人の区別なく従業員全員の健康を管理できる
・従業員数50人未満で産業医設置義務の無い企業であっても、産業医へ相談できる
・従業員のメンタルヘルスをケアし、休職や離職のリスクを軽減できる
●導入企業の従業員(在留外国人/日本人)
・母国語に対応した各種ヘルスケアサービスが無料で利用できる
・会社や上司への許可が無くても、メンタルヘルスの相談ができる
●健診実施医療機関
・新たな顧客層にアプローチでき、健診予約数増加に寄与する
・問診票や健診結果表の翻訳などの各種多言語対応サポートにより、外国人受診者に対応できる
【2021年11月2日時点の提携予定医療機関】(敬称略・五十音順)※提携医療機関は今後増える予定。
・一般財団法人 日本健康管理協会 新宿健診プラザ
・一般財団法人 明治安田健康開発財団 明治安田新宿健診センター
・医療法人社団ミッドタウンクリニック
・聖路加国際病院附属クリニック 予防医療センター
■(参考)在留外国人を取り巻く環境
【在留外国人数の推移】
・日本における在留外国人数は、令和2年末時点で約288万人と、近年増加基調にあり、今後も増加傾向が続くことが予測されているという。
【在留外国人の抱える課題】
・在留外国人は、特に医療や健康に関して悩みを抱えている人が多いことが分かっているとのことだ。