不動産管理の三好不動産は、開発事業へ参入すると発表した。
同社はこれまで、賃貸管理を中心に賃貸仲介、売買仲介、資産活用から相続相談まで、利用客のライフスタイルに寄り添った住まいの提案を主な事業として展開してきたが、今後はこれまで手掛けていなかった不動産業の主軸ともいうべき「デベロッパー」事業を積極的に進めていくとしている。
大規模宅地開発の一号案件として、2021年9月より福岡県篠栗町にて宅地の開発・造成を開始。
事業主であるFOMAを資金面でサポートし、共同事業者として参画している。なお、区画造成は2022年11月に完成予定であるとのことだ。
同社では、コロナ禍の影響でテレワーク等在宅時間が増えたことをきっかけに、新しいライフスタイルが広がりつつあることを受け、郊外の広い一戸建てを求める需要が今後増えていくと判断、宅地開発を事業の柱の一つとして育てていく方針であるという。
【ハウスメーカーらが全104区画を販売】
篠栗での宅地造成に伴い、同社関連の株)ミヨシアセットマネジメントの他、計4社の区画分譲が既に決まっており、一部一般販売を開始しているという。
来年11月の造成工事終了後、販売された区画で一戸建ての建築がスタート。区画を分譲販売する各社と区画数は「ミサワホーム九州(42区画)」「トヨタホーム九州(26区画)」「パナソニックホームズ(26区画)」そして「ミヨシアセットマネジメント(10区画)」の計104区画となっているとのことだ。
【同社の開発事業参入の意図】
ここ1、2年で住宅ニーズの変化が見られ始めている。賃貸市場においても、「駅から多少離れていても、部屋を一つ増やしたい」など、利便性の重視から、部屋数の増加や広さの要望へと明らかに部屋探しの条件が変化。
これはコロナ禍において、在宅勤務といった働き方の変化や、家に居る時間を重視する傾向があるのも理由のひとつであるという。
住宅購入市場でも同様で、利便性の良いマンションより郊外の一戸建てに取得ニーズがシフトしているという。
広い戸建てで、ゆとりある生活や家族との時間を大切にする「新しい住生活の環境」を求める傾向が見られ、コロナ収束いかんに関わらずこの先も支持され続けると見込んでいるとのことだ。
同社はこの2年で、福岡県福津市に5区画、福岡市早良区に2区画の宅地造成を行っており、1000㎡以上の(開発許可が必要な)大規模開発は同事業が初となるとしている。
【福岡の住宅事情に変化が・・】
福岡市は全国の特別区と政令指定都市において、持ち家のマンションの比率(マンション化率)が東京23区に続き2番名に多い都市で、意外にも戸建ての需要率が東京についで低いという。(東京カンテイ調べ)
首都圏ではここ数年のタワーマンション人気をはじめ、数十年以来多くのマンションが建築されている。
半面、約10数年ごとに行う「大規模修繕」の積立金の不足を抱えるマンション理事会の問題や災害時の脆弱性も浮き彫りになっておりマンション神話の鈍化がみられるという。(2020年:前年比14ポイントのマンション化率低下 東京カンテイより)
また今後、福岡も一戸建ての人気が高まってくると予測しているとのことだ。