出光興産、種子島石油、鹿児島県西之表市(以下、西之表市)は、種子島における「公共交通のEV化によるサービスステーションにおけるEV関連事業」の共同実証に向け、取り組みを開始すると発表した。
この共同実証では、公共交通車両のEV化、ならびに種子島石油が運営するサービスステーション等における公共交通EV車両の充電を含めたEV関連事業を検証し、2022年1月の試運転を経て、2月より運行を開始するという。
これに向け、出光興産は、種子島石油と業務委託契約を、また西之表市と共同取組契約をそれぞれ締結したとのことだ。
同共同実証では、現在、ワゴン車両を用いて運行している西之表市内の公共交通車両にEVを導入し、車両の充電を種子島石油の運営するサービスステーション等で行うという。
EV化によるCO2排出量削減効果、公共交通機関維持にかかる自治体の財政負担の低減効果、またサービスステーション等におけるEV充電サービスのオペレーション等を検証し、カーボンニュートラル社会の実現に向けたEV普及移行期におけるサービスステーション等での充電を含むEV関連事業モデルを実証。
なお同実証は、経済産業省の補助事業「令和3年度次世代燃料供給体制確立に向けた技術開発・実証」の採択を受けているとのことだ。
【実証における各者の役割】
出光興産 :実証主体者。ビジネスモデル検討
種子島石油 :EV関連事業提供者・事業主体、充電器維持・管理・運用
西之表市 :公共交通事業主体者、車両維持・管理・運用
出光興産は、2021年5月に発表した中期経営計画の見直し において、2030年ビジョン「責任ある変革者」を掲げ、エネルギーの安定供給と共に社会課題の解決に貢献することを責務としているという。
種子島においては、2020年より種子島石油、西之表市、東京大学らと共に、交通、福祉、エネルギー、産業、環境、人材育成、防災防犯、観光の8つの切り口で、地域課題の抽出とソリューションの共創に取り組んでいるという。
この共創においては、出光興産がもつ全国約6,300か所のサービスステーションネットワークが蓄積した地域課題に関する知見、地域社会に根差した事業を展開する特約販売店との連携を活かし、地域との共創による新たな価値創造を目指しているという。
今回の取り組みでは、主に交通・エネルギーの面に着目し、カーボンニュートラル社会の実現に資する島内モビリティの社会実装を目指して実証を行うとのことだ。
実証後には蓄積したデータを活用し、島内の再生可能エネルギーの開発やその電力を活用した充電設備の整備などを検討。
また、人口減少による空き家の増加や農業の担い手不足を補う物流面での支援など、種子島が抱える様々な地域課題の解決に向け、出光興産、種子島石油、西之表市は今後も連携して取り組みを進めていくとしている。