那須塩原市と、日産自動車、栃木日産自動車販売および日産プリンス栃木販売の4者は28日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結した。

同協定は、那須塩原市で災害による停電が発生した際、日産の販売会社から貸与する電気自動車(EV)「日産リーフ」を電力源とした災害時の電力供給体制の構築と、EVの「走る蓄電池」としての価値の普及を目的とした協定で、ゼロ・エミッション社会の実現を目指す日産の『ブルー・スイッチ』活動としては147件目の取り組みとなるとのことだ。

【協定の経緯・背景】

那須塩原市は、地球温暖化や気候変動といった地球規模の課題を地域レベルで考え、これらの課題への理解や問題意識を深める契機として、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指すことを2019年12月3日に宣言し、環境・防災・減災の取り組みなどを積極的に推進。

また、豊かな自然や歴史、温泉といった地域資源を生かした施策を推進し、誰もが安心して安全に生活できる持続可能で強靭なまちづくりを目指すなど、SDGs推進にも積極的に取り組んでいるという。

一方、日産自動車は、EVならではの新たな価値やワクワクを提供し続けるとともに、2018年5月より、EVの普及を通じて、環境、防災、エネルギーマネジメント、観光、過疎などの地域課題解決を目指す、日本電動化アクション『ブルー・スイッチ』を、全国の自治体や企業、販売会社と共に推進。

また、2030年代早期には、主要市場で投入する新型車すべてを電動車両にすることを宣言、電動化をリードしながら、SDGsの達成やカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速しているとのことだ。

この日産自動車が推進する『ブルー・スイッチ』、そして、那須塩原市が推進する環境・防災対策やSDGsの推進と、双方の取り組みに互いが賛同し、同協定の締結を行う運びとなったとしている。

【協定の概要と主な連携内容】

電気自動車を活用した「災害連携協定」の概要は、以下の通り。

  • 那須塩原市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所等に、日産の販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「日産リーフ」を無償で貸与し、EVからの給電により、災害時にも避難所等で継続して電力が供給できる体制を整え、市民の生命および身体の安全を守る。
  • 那須塩原市および日産自動車、栃木日産自動車販売、日産プリンス栃木販売は、平常時も電気自動車(EV)の普及促進を行うほか、市イベントで使用する電力を電気自動車(EV)から供給することで、電気自動車の「走る蓄電池」としての活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指すとしている。

那須塩原市は、すでに公用車として電気自動車「日産リーフ」や商用電気自動車「e-NV200」を導入しているほか、電気自動車(EV)購入補助金を設定するなど、環境に優しい電気自動車(EV)の普及促進に積極的に取り組んでいるとのことだ。

また、今年度、電気自動車から電気を取り出す可搬型給電器を導入するなど、防災力向上にも取り組んでいるという。

那須塩原市と日産自動車は、同協定締結を機に、電気自動車(EV)を活用した、環境に優しく災害に強い持続可能なまちづくりを推進し、美しい自然環境を未来に残すため、EVの普及を通じた地域課題の解決、脱炭素化社会実現、SDGs達成に向けて、更に連携を強化していくとのことだ。