NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2021年10月、KDDI、楽天モバイル、ソフトバンクと、北海道と秋田県を結ぶ大容量光海底ケーブル(以下、同海底ケーブル)を建設することに合意し、共同建設協定(以下、同協定)を締結したことを発表した。
同海底ケーブルは、総延長約770キロメートルで、2023年末の完成を予定。
最先端の光波長多重伝送方式を採用することで、160Tbps(テラビット毎秒)以上の設計容量を実現するとのことだ。
NTT Comは、同協定にもとづき相互連携を図りながら同海底ケーブルの建設を推進し、より安心・安全なネットワークを提供するとしている。
1.背景
あらゆる業界におけるデジタル化の進展や、新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとしたリモートワークの普及などによりトラフィックが年々増加傾向にあり、通信は人々の生活に欠かせないインフラとなっている。
一方、通信を支えるネットワーク設備は地下や海底に敷設されており、地震や津波などの自然災害によってサービス提供に影響を及ぼすリスクがあり、通信事業者にとってBCP対策や設備の信頼性向上は重要な課題になっているとのことだ。
このような環境において、NTT Comは、インターネットをはじめとするネットワークサービスを安定的に利用できるよう、設備の高信頼化に継続して取り組んでいるという。
2.概要および特長
同海底ケーブルは北海道小樽市から秋田県秋田市をつなぐ総延長約770Kmの大容量光海底ケーブル。NTT Comは、同海底ケーブルを敷設することで、すでに保有しているルートと合わせて、北海道と本州間で3ルートによる冗長構成をとることが可能となるとのことだ。
また、これにより日本全国の主要拠点をつなぐネットワークの3ルートによる冗長構成が実現され、自然災害など、予期せぬ事態においてもさらに安定したネットワークサービスを提供することができるとしている。
3.今後について
NTT Comは今後も、設備の多重化や冗長化に加え、最新技術とこれまで培ったノウハウを活用し、デジタル化の進展を支える通信インフラの高性能化・高信頼化を推進。
NTT Comは、事業ビジョン「Re-connectXTM」にもとづき、ユーザーやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動固定融合サービス・ソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していくとしている。