ヤフー(以下、Yahoo! JAPAN)は、10月31日に投開票を迎える第49回衆議院議員通常選挙(以下、衆院選)の立候補者の情報などを、読み上げソフト(スクリーンリーダー)を使用して取得できる視覚障がい者向け選挙情報サイト「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」を公開。
現在、視覚障がい者の方の9割以上がインターネットを利用しており、その多くの人が音声による読み上げソフトを使用して情報を取得しているという。
しかし、選挙情報において重要な選挙公報は、インターネットに掲載するにあたって読み上げソフト向けに文字情報を付加することが求められていないため、候補者の任意の対応に頼っているのが現状であるとのことだ。
そのため、インターネットは視覚障がい者の人が情報を入手しやすいツールであるにもかかわらず、全国に約11万人いると言われている視覚障がい1級の人は、インターネット上の選挙公報から情報を取得することが難しいという課題があるという。
Yahoo! JAPANでは、この課題を解決するとともに、視覚障がい者の選挙情報の取得に対するハードルを無くしていくための啓発を目指し、2017年7月の東京都議会議員選挙から「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」の提供を開始。
第48回衆議院議員選挙、第25回参議院議員選挙に続いて、今回で4回目の実施であるという。
今回の「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」では、全国の候補者の選挙公報の情報を読み上げソフトに対応した形で順次掲載するほか、投開票翌日の11月1日以降順次、得票数や当落結果などの情報も掲載予定。
なお、ページの配色では弱視の人にも読みやすいよう明度差をつけるために、黒い背景に白文字を使用。
さらに、視覚障がい者の人が普段どのような音声で情報を取得しているかを知り、関心を持ってもらうきっかけとなることを目指して、実際に読み上げソフトを使用して画面を読み上げたときの音声例も掲載しているとのことだ。
■日本視覚障害者ICTネットワークからのコメント
「『Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙』のように文字情報で候補者の情報が提供されていれば、点字、音声読み上げ、拡大や白黒反転表示など、個々のニーズに応じた方法で情報を入手することが可能です。選挙への参加は私たち全員の非常に大切な権利です。この取り組みで社会の理解が進み、誰でも同様に選挙情報にアクセスできることが制度的に保証され、『誰一人取り残さない』選挙の実現につながることを切に願います。」
Yahoo! JAPANは、「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」を通じて、視覚障がいの人が選挙情報を入手しやすい環境作りの一助となることを目指すとともに、将来的には、すべての人が苦労せず選挙情報を入手でき、「Yahoo! JAPAN 聞こえる選挙」が必要ない世の中になることを願っているとのことだ。
【日本視覚障害者ICTネットワークについて】
日本視覚障害者ICTネットワーク (JBICT.Net) は、日本国内の視覚障害者の情報通信技術 (ICT) の利用環境の向上を目的とした活動を行っている団体。