KDDI、四国旅客鉄道(JR四国)、徳島バス、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、一般社団法人イーストとくしま観光推進機構、公益財団法人徳島経済研究所は、徳島県鳴門市の鳴門公園を中心とした観光エリア(以下、鳴門公園周辺エリア)に来訪される観光客の満足度向上を目的とし、鳴門公園周辺エリアをスマートフォン一つで周遊できる観光地づくりを促進する観光型MaaSの実証実験(以下、同実証実験)を、2021年10月15日から2022年1月31日まで実施すると発表した。
参加7団体は同実証実験を通じて、鳴門公園周辺エリアの移動の利便性と観光体験を向上する「くるくるなるとデジタル周遊チケット」(以下、同サービス)を提供するという。
同サービス提供により、ユーザーはスマートフォンを利用したシームレスな移動と快適な観光を楽しめるとのことだ。
なお同実証実験は、観光庁令和2年度3次補正予算事業「既存観光拠点の再生・高付加価値化推進事業」の認定を受けた取り組みであるという。
鳴門公園周辺エリアは瀬戸内海国立公園に属し、鳴門海峡の渦潮や大塚国際美術館などに多くの観光客が訪れる徳島県を代表する観光地。
一方、鳴門公園周辺エリアの交通機関ではクレジットカードや交通系ICカードが導入されておらず、関西方面・高松方面からの交通アクセスや鳴門公園周辺エリア内での利便性が課題となっている。
そのため、鳴門公園周辺エリアの周遊促進が十分に図られておらず、渦潮などの主要な観光地を巡る画一的な観光モデルが多くなり、鳴門公園周辺エリアの観光消費が低迷しているという。
また、新型コロナウイルス感染症拡大により影響を受けた観光産業では、キャッシュレス化による非接触型サービスへの移行を進めることで、アフターコロナにおける域内の産業回復も期待されているという。
同サービスでは、事前に決済方法を登録し、NFCタグにスマートフォンをかざす、もしくはQRコードを読み込むだけで利用可能な「JR・徳島バス フリーパス」「なると観光チケット」「バス スマホタッチ支払い」の3種類を提供。
同サービスはFelica非搭載のスマートフォンでも利用可能なため、将来的には外国人観光客に対する交通利便性向上も見込めるとのことだ。
また、ANAアプリおよびANAWebサイト内の「空港アクセスナビ」からも、同サービスの利用が可能。
自治体、交通機関、観光事業者、通信会社、広域連携団体が連携してスマートフォン一つで周遊できる観光地づくりを行い、公共交通機関と観光施設の利便性を向上させることで、観光客の増加や域内消費額の向上などによる地域の活性化を目指していくという。
今後も、さまざまなパートナーと連携し、交通手段や利用地域の拡大、観光コンテンツ拡充や多言語 対応などにより、観光型MaaSサービスのさらなる高度化を図るとともに、社会実装に向けた取り組みを推進していくとしている。