京セラは、音声をリアルタイムに認識し、アクリル板などに透明スクリーンを貼付して字幕として表示することで、マスクの着用やアクリル板を挟んでの会話の聞き取りづらさを解消する「わかりやすい字幕表示システム」を開発したと発表した。
同システムは、2021年10月19日から開催される「CEATEC 2021 ONLINE」の京セラブースに参考出展するという。
新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、会話をする際のマスクの常時着用やアクリル板を挟んでの会話はもはや一般的となったが、聴覚障がい者や高齢者を中心として「声が聞きづらい」「口元が見えない」というコミュニケ―ション障害も生まれているという。
特に聴覚障がい者の人の多くは、マスクで口元が隠れることで口の動きや表情から会話が読み取れず、コミュニケーションが困難だと感じている人も多いとしている。
また、加齢によっても聴覚は衰えることから、超高齢社会といわれる日本において、コロナ禍におけるコミュニケ―ション障害は、大きな課題となりつつあるとのことだ。
このような背景から京セラでは、話した内容をリアルタイムに認識し、透明なアクリル板などに字幕として表示することができる「わかりやすい字幕表示システム」を開発。
同システムの活用で、聴覚障がい者の人や高齢者は相手の表情を見ながら安心して会話することができ、一方、対応者もスムーズに情報を伝えることができるので、接客時間の短縮が期待できるという。
また、スマートフォン、プロジェクタで構成されており、既存のアクリル板やビニールシートを活用できるのため導入も簡単とのことだ。
■京セラ製「わかりやすい字幕表示システム」の特長
1.音声をリアルタイムに認識し、アクリル板などに字幕として表示
相手の声を文字として見ながら会話ができるため、安心してコミュニケーションをとることが可能に。
2.導入が簡単
透明なアクリル板やビニールシートなど、既存のものを活用できるため、簡単に導入ができる。
3.わかりやすい表示方法
事前に登録した単語を自動で強調表示することや、会話に合わせて図解も自動表示することで、よりわかりやすく伝えられるよう工夫。
4.反転文字でお互いが見やすい表示を実現
文字を左右反転させた反転文字が同時にアクリル板に表示されるため、伝える側で音声が正しく変換されているか確認することが可能。反転文字は相手側には見えない工夫が施され、読み取りの邪魔をしない。
同システムは、IoTなどを活用したオープンイノベーションを推進する「I・TOP横浜」の取り組みの一環として、今後、横浜市中区役所にて実証実験も予定しているとのことだ。
■実証実験の概要
実施場所:
横浜市中区役所高齢・障害支援課窓口
実証開始:
2021年11月を予定
実証内容:
窓口業務での字幕表示システムの活用
実証実験参加企業・団体:
京セラ株式会社/横浜市