KDDIは、2021年10月18日から東京都主催の「令和3年度東京都『次世代ウェルネスソリューション構築』支援事業」(以下、都公募事業)として選定された実証事業を開すると発表した。

都公募事業への参画は2年目となり、今年度は豊島区に加え、板橋区と江戸川区に在住・在勤・在学の人を対象として検証を実施。

「ニューノーマル時代の医療・ヘルスケアアプリを活用した健康増進」をテーマに、KDDIが提供する健康管理アプリ「ポケットヘルスケア」の利用効果と健康増進への影響、複数の自治体に導入することによるサービス性の検証するとのことだ。

都公募事業イメージ図

「ポケットヘルスケア」は、健康から医療までのヘルスケア領域の課題を解決するアプリとして2020年11月に提供を開始したという。

日々の歩数や体重、血圧などが記録できるほか、将来の生活習慣病の発症リスクを予測し、スコア化する「健康スコア」、症状から関連する参考病名や適切な相談・受診先を調べることのできる「AI受診相談」、ビデオチャットを利用して医師の診察を受けることのできる「オンライン診療」といった機能を提供。

スマートフォンアプリで日々の健康管理から医療体験までトータルで支援しているとのことだ。

KDDIは、2020年に「令和2年度東京都『次世代ウェルネスソリューション構築』支援事業」として選定された実証事業を実施し、「デジタル技術を活用した高齢者・現役世代向け健康増進」をテーマに同アプリを利用した取り組みを豊島区にて実施。

その結果、利用者内訳が50代(30.4%)、30代(18.5%)、40代(18.2%)となり、60歳以上も18.8%の割合を占めていたことから、スマホ利用を前提としたアプリでありながらも、若年世代から高齢者世代までの幅広い利用が見込まれる素地があることが分かったという。

また、参加者の実証期間中の1日の平均歩数は、男女ともに全国の平均歩数を超える結果となり、アプリを通じた健康活動の促進が一定の効果をもたらしたと考えられるとしている。

本年度の都公募事業では、同アプリを複数自治体に導入することで、自治体に応じた健康増進施策および、コロナ禍における健康不安の解消を行うという。

また、自治体導入にあたっては公益性の高いサービスの提供を行っていくとのことだ。

■都公募事業概要

1.内容
KDDIは、区主催の住民向け保健事業の一環として、PHR(Personal Health Record)データの記録や、歩数などの健康活動に応じたさまざまなインセンティブの提供、健康診断結果に基づく生活習慣病リスク予測の提示などが可能な同アプリを提供し、健康行動や受診行動を支援。

同アプリを利用して住民向けに各自治体独自の健康イベントなどの情報を配信し、イベント参加者にはインセンティブを付与するなど参加を促すとしている。

同アプリの利用実績を分析し、都内の他区市町村への展開もあわせて検討することで、都民全体の医療費の適正化や健康指標の改善に寄与し、また、より精度の高い分析を行うため、自治体などが保有するデータの分析環境整備について検討を行う。

2.期間
2021年10月18日~2022年2月28日

3.実施団体と役割
様々な団体と協力し都公募事業を実施。

実施団体と役割