H&Mは、プラスチック廃棄物の削減を目的とし、公式オンラインストアでの購入品の発送時に使用する不要なプラスチック製包装・パッケージを廃止すると発表した。
10月1日より順次、オンラインで注文した商品はFSC(森林管理協議会)認証を得た紙製パッケージの梱包に切り替え、利用者によりサステナブルなショッピング体験を提供するとしている。
包装・パッケージは、商品を保護し、店舗や利用者に良い状態で届けるために重要とされている一方で、製造時には貴重な資源が用いられている。
また、使用後には処理が困難な廃棄物を大量に生み出し、中でも汚れや損傷によって廃棄されることを防止するために商品を保護する目的で使用されることの多いプラスチック製の包装・パッケージは、代替となるものを見つけることはとても困難だとされているという。
しかし世界的にオンラインでのショッピングが増加し、それに伴いプラスチック廃棄物が増加している今、よりサステナブルな包装・パッケージとなる新しいソリューションを見つける必要性は高まりを見せている。
そこでH&Mは、再利用またはリサイクル可能な新しい紙製パッケージを導入し、環境問題につながる不必要な使い捨てプラスチックを段階的に削減していくとしている。
これは2025年までに、自社製品にて使用するすべての包装・パッケージをリユース、リサイクル、もしくは堆肥化可能なものへと切り替えるというH&Mグループ全体の目標に沿ったもので、資源を最大限に活用し、廃棄物を最小限に抑える循環型ビジネスに向けた、H&Mの継続的な取り組みの重要な一部とのことだ。
プラスチック製から紙製の包装・パッケージに切り替えるにあたり、衣料品が輸送に耐えうる耐久性と弾力性のある紙を用いて、商品が安全に利用者のもとに届くようにすることが重要であることから、今回導入する紙製の包装・パッケージでは、FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)認証を取得したバージンパルプを使用。
また、この新しい包装・パッケージは輸送時のスペースの必要性を減らすこともできるとしている。
さらに、使用される紙はコーティングなどを施していないことから、他の紙素材と同様に、容易にリサイクルでき、循環させることが可能とのことだ。
今回の導入では、配送時の外袋をプラスチック製から紙製に切り替えることに重点を置いているため、利用者からの注文品の大半には、引き続きプラスチック製の内袋を使用するという。
プラスチック製の内袋は、安全衛生面などの理由から商品を保護するために長い物流サプライチェーンの中で業界レベルで一般的に使用されているものだが、H&Mでは代替となる解決策を早急に見つけることに引き続き取り組んでいくとのことだ。