日経リサーチは9月22日、主要企業600社のブランド力を測定・分析する「ブランド戦略サーベイ」の2021年版レポートを発売。

本年の総合ランキングはアップルジャパンが1位となったという。上位企業の特徴を見ると、長期化するコロナ禍の中で、ネット、リアルに限らず新しい生活様式に必要な基盤を提供し、変化する生活者の気持ちに寄り添ったブランドが評価を上げているとのことだ。

また今回の調査から新たに、SDGsへの取り組みの認知状況を測定。

コンシューマー、ビジネスパーソンともにトヨタ自動車が認知度トップで、自動車業界を中心に取り組み認知が浸透している様子がうかがえるという。

今回の調査概要および調査結果のハイライトは以下の通り。

「ブランド戦略サーベイ」は企業のブランド力をコンシューマー(消費者)とビジネスパーソンという2つの視点から評価する年1回のインターネット調査。

2003年にスタートし、今年で19回目となる。今回は2021年6~7月に実施。

ブランド力は「愛着度(ビジネスパーソンは企業魅力度)」、「自分必要度(ビジネスパーソンはビジネス有用度)」、「プレミアム(ブランドプレミアム・価格プレミアム)」、「独自性」、「推奨意向」という5つの指標に基づいて算出した「ブランド知覚指数(PQ=Perception Quotient)」によって評価。

総合ランキングは消費者とビジネスパーソン両方の「ブランドPQ」のスコアを統合し、算出した「総合PQ」によるもので、各種ランキングは9月22日付の日本経済新聞17面、日経産業新聞15面、日経MJ3面でも紹介しているという。

「ブランド戦略サーベイ 2021」総合PQランキングのハイライト

●アップル ジャパンが3年連続1位

2019年から3年連続で首位をキープ。昨年から本格的にスタートした5G回線を背景にiPhoneの販売が堅調に推移したこと、遠隔学習や在宅勤務でiPadやMacの需要が増えたことなどが理由にあげられる。

加えて音楽・動画配信などサブスクリプション型のサービスも伸びており、常に新しいプロダクト/サービスを提供し続けていることが高評価の背景にあるとうかがえるという。

●コンシューマー編で大きく躍進したグーグルが総合2位に

巣ごもり環境下で、自宅で過ごす時間が増える中、YouTubeの利用者数が大幅に増加したことや新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」をはじめとした各種アプリの配信でプラットフォーマーとして存在感がさらに高まったと考えられる。

●第一四半期で過去最高の業績を記録したTOTOは7位

自宅時間が増える中、「自宅をより快適にするにはどうすれば良いか」といった関心が消費者の中で高まり、リフォーム需要として顕在化。

特に、日々使用する頻度の高い洗面所やトイレ、手をかざして水が出る自動水栓といった水廻り製品が受け入れられており、コロナ禍による衛生意識の高まりの影響も評価を上げた背景にあると考えられる。

●トヨタ自動車がトップ10に返り咲き

9位にはトヨタがランクイン。直近2年は10位台にランキングを落としていたが3年ぶりにトップ10入り。

コロナ禍からの回復がいち早く進む米国や中国で販売台数を大幅に伸ばしたことや、国内でも小型車「ヤリス」などの販売が好調であることが評価を上げていると見られる。