スマートニュースのシンクタンクである「スマートニュース メディア研究所」は、大学生や高校生向けに、メディアリテラシーの向上を促すオンラインゲーム教材「To Share or Not to Share」を開発したと発表した。

同オンラインゲーム教材は、大学・高校の学校関係者向けに、同社研究所のウェブサイトを通じて無償で提供するという。

10代を中心に、SNSでのコミュニケーションや情報収集を行うことが多くなっている一方で、誤情報・偽情報の拡散が社会問題化している。

スマートニュース メディア研究所は、公益活動の一つとしてメディアリテラシー教育に携わる中で、大学生や高校生が、ソーシャルメディアでの情報行動を考える機会を持てるよう、メディアリテラシー授業で活用できるオンラインゲーム教材を開発したとのことだ。

このオンラインゲーム教材では、生徒は、現実のSNSを模した仮想のタイムラインを見ながら、投稿をシェアするか否かを決めてフォロワーを増やすことを目指すとしている。

タイムラインに流れる投稿(虚偽情報を含む)を、実際にシェアし、フォロワー数の変動を体感することで、日頃の情報の受け取り方、発信の仕方について振り返ることができる。

また、SNSの根幹にあるアルゴリズムについても考えるきっかけを与えることができるとのことだ。

このオンラインゲーム教材は、これまで日本の教育現場にはなかった独自の形式で、生徒たちがゲーム方式で楽しみつつ、情報をシェアする判断基準やデジタルメディアの特性を考えてもらう仕掛けとなっています。

現実に近い情報環境の中で偽情報を見分けることに挑戦したり、​​​​他の回答者の判断と自分の判断を比較したりすることを通じて、人によって情報の受け取り方が違うことや、安易に偽情報をシェアしてしまうことの危険性を認識してもらうことができるとしている。

今年春、広島大学の教養教育「データ・科学入門」で実施したほか、慶應義塾大学や東京学芸大学など全国各地の大学で、合計約2,000人の学生が体験したという。

実際に体験した学生からは、「自分が発信することやフォローすることの意味を考える機会になって良かったと思いました。」という声や、「リアルな場面設定だったので、SNSを利用するときは〇〇しないように、という禁止事項ばかり教えるよりもいい」「同じ記事を読んでいても記事に対する信頼度が人それぞれ違ったことがおもしろかった」「フェイクニュースを見抜くことだけでなく、アルゴリズムについて考えるのも面白い」などという反応があったという。

体験した学生の99.8%は、SNSでの情報の受発信について学びを得た、と回答。

◆オンラインゲーム教材「To Share or Not to Share」概要

趣旨:
生徒(受講者)が、現実のSNSを模した仮想のタイムラインを見ながら、投稿をシェアするか否かを決めてフォロワーを増やすことを目指すとしている。最後に、クラスで回答を比較することで、多様な判断基準があることを学ぶことができる。

開発協力:
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
・大川恵子教授
・前川マルコス貞夫 リサーチャー

広島大学情報メディア教育研究センター
・稲垣知宏教授

広島大学大学院人間社会科学研究科
・匹田篤准教授

アプネア合同会社
・代表 田島将太氏

◆オンラインゲーム教材「To Share or Not to Share」を活用した授業機会の案内
日時: 2021年10月4日 午前9時45分
学校: 青翔開智高校(鳥取県鳥取市)
授業: 1年生、国語
形式: オンライン授業