花王、コーポレートPPAを初採用 太陽光発電電力を事業者より直接購入 2040年カーボンゼロ実現目指す

花王 kao

花王は、脱炭素社会の実現に向け、2040年までにカーボンゼロ、2050年までにカーボンネガティブを目指しているとし、その一環として、発電事業者のジェネックス、小売電気事業者のみんな電力と、コーポレートPPA(Power Purchase Agreement:電力購入契約)の基本契約合意書を締結したと発表した。

電力の受給は、2022年2月に開始予定で、花王本社で活用していくとのことだ。

コーポレートPPAは、従来の非化石証書(※)などとは異なり、需要家が発電事業者より直接、再生可能エネルギーを固定価格で長期間購入するスキームだという。

需要家は安定的な再生可能エネルギーの調達が可能になり、発電事業者は資金調達がしやすくなることで、新たな発電設備への投資を推進することが可能になるとしている。

日本におけるコーポレートPPAの実績はまだ少なく、花王においても初めての採用であり、花王が参加する持続可能な脱炭素社会をめざす企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)による「JCLPコーポレートPPA組成プロジェクト」の採用第一弾となるとのことだ。

花王は、2019年4月にESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)を策定し、19の重点取り組みテーマを設定。

これまでは、非化石証書を使用した電力調達や、自家消費用の太陽光発電設備の導入などにより、使用電力の再生可能エネルギー化を進めてきたとしている。

今回のコーポレートPPA採用では、ジェネックスの太陽光発電設備(静岡県建設予定)に加え、みんなパワーの太陽光発電設備で発電される再生可能エネルギーも購入し、みんな電力を通して供給を受け、花王本社で使用していく予定だという。

発電量は、花王本社の年間使用電力の約30%にあたる約850MWhを見込んでおり、年間約460トンのCO2排出量削減に繋がるとし、花王本社で使用する残りの電力についても非化石証書を使用した電力を使用。

それにより、花王本社における年間使用電力約2,800MWhの100%再生可能エネルギー化を達成し、年間約1,500トンのCO2排出量削減を見込んでいるとのことだ。

(※)非化石証書:非化石電源により発電された電気が持つ「非化石電源由来であることの価値」を証書の形で「見える化」したもの。小売電気事業者が、需要家に販売する電気に活用することでCO2排出量の削減が認められている。

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