Amazonは9月16日、「Amazonキャリアデー2021」を日本で初開催し、オンラインで実施したイベントには13,000人以上が参加したと発表した。
同イベントは米国で2019年に開始し、今年は世界9か国で開催。Amazonピープルエクスペリエンス&テクノロジー担当上級副社長のベス・ガレッティ氏は、次のように述べている。
「多くの人が現在、仕事を探しており、また多くの人がキャリアを変えたいと考えています。私たちはこの状況を注視しており、私たちにしかできない役割があると考えています。それは、世界で何万ものオープンポジションだけでなく、有意義なキャリアを築くための機会を提供することです。私たちはAmazonが素晴らしい職場であると考えています。今回、多くの方々にキャリアデーにご参加いただき、Amazonでの仕事について詳しく知っていただけたことを嬉しく思います」
Amazonが、モーニングコンサルト社と協力して今年8月に実施した求職者意識調査によると、日本では回答者(1,000人の就労者対象)の57%が転職に関心があると答え、そのうち、36%はその理由について、より意味のある仕事に就きたいことを挙げている。
また、転職に関心がある回答者のうち23%が異業種への転職を検討していると回答し、うち47%がその理由に新型コロナウイルスによる影響を挙げているとのことだ。
日本のイベントは、Amazonでの仕事に関する情報のほか、ほかの企業への転職によるキャリアアップを考えている人や異なる分野へのキャリアチェンジを考える人に役立つ情報の提供を目的に実施。
「Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)」をテーマに掲げ、Amazonのリーダーや社員が登壇し、座談会やインタビューを通して、Amazonが大切にする社員のキャリアに対する「オーナーシップ」の考え方や、リーダーシッププリンシプルなどのAmazonのユニークな企業文化を紹介。
また、今年7月に社長兼CEOに就任したアンディ・ジャシー氏が自らのキャリアを振り返り、参加者とキャリア構築のアドバイスを共有したほか、Amazonが求める人材について次のように語ったという。
「お客様に対して情熱を持ち、独創的で創造的な人、戦略的で全体像を見ることができると同時に、細部にもこだわれる人。そして高いスタンダードを持ち、自分の使命を考えている人、謙虚であり学ぶことにオープンな人、そんな人を求めています」
さらに、Amazonキャリアデー2021では、今回で7回目となるAmazonアカデミーを同時に開催。
「時代の転機を迎える日本社会、これからのキャリアと自分らしい働き方とは」をテーマに、法政大学キャリアデザイン学部教授の田中研之輔氏、一般社団法人Public Meets Innovation代表理事の石山アンジュ氏、NPO法人GEWEL理事の稲葉哲治氏をパネリストに迎え、新たな働き方や職場の多様性の促進が求められている時代に、個人の働き方をどう考えていくかについて話し合われた。
田中研之輔氏は、「日本は今、3つの歴史的転換期にあります。1つ目は、政府が『働き方改革』を掲げ、我々の働き方を変えていこうとしている点。2つ目は、経済界も日本型の雇用を見直していこうとしている点。そして3つ目は、新型コロナウイルスの影響。誰もがこの経験に向き合い、自らのキャリアについて考えるきっかけとなっています」と述べた上、「キャリアはみずから主体的に設計、デザイン、実現していけるもの。企業側は従業員のその活動を応援していくことが大切です」と語った。
また、石山アンジュ氏は、「自分に、社会に、未来にオーナーシップを持つ」という自らの考えについて言及し、「私は自分が社会の中でどういった役割を持てるのか、その先にある自分の使命とは何か、という問いに向き合いながらいつも仕事をしています」と述べたとのことだ。
さらに、稲葉哲治氏は、「今必要なのは、多様な価値観を受け入れるのはもちろん、互いに尊重し、自分も認めてもらうことで、個性を生かせるような職場の環境づくり」だと強調したという。