Appleは、スマートフォンでできることの限界を押し広げるiPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxを発表した。
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは、グラファイト、ゴールド、シルバー、そしてまったく新しいシエラブルーの美しい4つの仕上げとなった。
日本、オーストラリア、カナダ、中国、ドイツ、インド、英国、米国などの30以上の国や地域では、予約注文は9月17日から開始し、販売は9月24日から開始。
なお、トルコでは10月1日から、マレーシア、メキシコ、韓国、タイのほか約10か国では10月8日から販売を開始。
Apple Storeアプリケーション、Apple Store直営店で購入すると、iPhone 13 Proは24か月分割払いの場合は月額 5,117円(税込)、下取りがない場合は122,800円(税込)、 iPhone 13 Pro Maxは24か月分割払いの場合は月額5,617円(税込)、下取りがない場合は 134,800円(税込)。
iOS 15は、9月20日に無料のソフトウェアアップデートとして提供される。
以下が大きな特徴の詳細となる。
iPhone史上最も先進的なカメラ
3つの背面カメラすべてに新しいセンサーとレンズが搭載され、iOS 15とシームレスに連係するよう最適化され、A15 Bionicの新しい画像信号プロセッサ(ISP)によってノイズ低減とトーンマッピングが向上。
【広角カメラ】
まったく新しい広角カメラには、これまでのiPhoneで最大の1.9 μmピクセルを採用したセンサーを搭載。これによってノイズが減り、様々な光の条件下で必要な速いシャッター速度も実現し、さらに精細な写真を撮ることができるように。
より明るいƒ/1.5の絞り値との組み合わせにより、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxの広角カメラは明るさが足りない場所での性能がiPhone 12 Proと比較して最大2.2倍、iPhone 12 Pro Maxと比較して約1.5倍と大きく向上。
また、iPhone独自のセンサーシフト光学式手ぶれ補正(OIS)は、どちらのモデルにも搭載されている。レンズではなくセンサーを安定させるので、ユーザーが動いても写真はなめらかに、ビデオはぶれがない状態になるという。
【超広角カメラ】
新しい超広角カメラは、より一層明るいƒ/1.8の絞り値と新しいオートフォーカスシステムによって明るさが足りない場所での性能が92パーセント向上。より明るく鮮明な写真を撮影できる。
また、新しいレンズ設計、iPhoneの超広角カメラで初となるオートフォーカス機能、先進的なソフトウェアにより、iPhoneでこれまで不可能だったマクロ写真撮影も可能に。ユーザーは、最短焦点距離2センチメートルで拡大して、被写体が実際よりも大きく見え、鮮明で驚くほど美しい写真を撮影できるという。
マクロはスローモーションやタイムラプスなどのビデオでも利用可能。
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは新しい77 mmの望遠カメラも搭載しているため、ビデオの撮影中にもっと被写体に近づいたり、より典型的な構図のポートレートを撮影できるとのことだ。
なお、望遠カメラの光学ズームは3倍で、カメラシステムの光学ズームレンジは合計6倍になるという。
今回、さらに高速になったA15 BionicのNeural Engine、新しい画像信号プロセッサ、コンピュテーショナルフォトグラフィの進化が、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxのまったく新しいカメラ機能をパワフルなものにしているという。
フォトグラフスタイルで、ユーザーはAppleのマルチフレーム画像処理の利点を活かしつつ、自分の写真の好みをすべての画像に適用することができる。
プリセットや自分好みの設定はすべてのシーンや被写体に対して機能し、単純なフィルタとは違って写真の別々の部分に適切な調整を行いながら賢く適用されるため、スキントーンなどの写真の重要な要素が保たれる。
初めてナイトモードが望遠カメラを含むすべてのカメラに搭載
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxで、初めてナイトモードが望遠カメラを含むすべてのカメラに搭載され、スマートHDR 4にも対応するので、難しい条件下での集合写真の被写体の色、コントラスト、光が向上し、より実物に迫る写真を撮影できるとのことだ。
さらに、Deep Fusion、Apple ProRAW、ポートレートライティングを備えたポートレートモードなどの人気の機能も提供するとしている。
スマートフォンのビデオが大きく飛躍
映画撮影の技法や、ピント送りの効果的な使用方法についての幅広い研究に基づき、iPhoneのシネマティックモードでは、人物、ペット、その他の被写体を、自動でピントが変化する美しい被写界深度効果と共に撮影できる。
創造的なコントロールもできるように、ピントは撮影中にも撮影後にも変更可能で、ユーザーはボケ効果の強さを写真アプリケーションやiOS用のiMovieで変更することも可能。
同機能はmacOS用のiMovieとFinal Cut Proにも近日中に導入される予定であるとし、撮影後にもビデオの被写界深度効果を編集できる唯一のデバイスとなるという。
A15 Bionicと高度な機械学習アルゴリズムの活用によって、シネマティックモードではドルビービジョンHDRで記録される。
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxには、色の忠実性が高くて圧縮が少なく、コマーシャルや長編映画、放送用の最終納品フォーマットとして幅広く使われている先進的なビデオコーデックのProResも導入されます。
このパワフルで新しいプロのワークフローは、新しいカメラハードウェア、A15 Bionicの先進的なビデオエンコーダとデコーダおよびフラッシュストレージパイプラインによって実現する。
5コアGPU搭載のA15 Bionicがクラス最高のパフォーマンスを提供
iPhone 13 Proのラインナップに搭載されているA15 Bionicは、これまで以上に先進的で、素晴らしいパワーと効率を提供するとともに、これまでiPhoneでは不可能だった驚くべき新しいディスプレイ、カメラ、ビデオ機能を実現。
5ナノメートルテクノロジーを採用したスマートフォン史上最速のA15 Bionicでは、Proのラインナップに新しい5コアGPUを搭載。スマートフォンの中で最も速く、他社よりも最大50パーセント速いグラフィックス性能を実現し、ビデオアプリケーション、高パフォーマンスのゲーム、様々な新しいカメラ機能に最適であるという。
2つの新しい高性能コアと4つの新しい高効率コアで構成される新しい6コアCPUは、他社よりも最大50パーセント高速で、負荷の大きい作業もスムーズに効率よく処理が可能。
新しい16コアのNeural Engineは、1秒間に15兆8千億回の演算が可能で、他社製アプリケーションでの体験やiOS 15のカメラアプリケーションの「テキスト認識表示」機能などでの機械学習の演算がさらに高速に。
また、次世代ISPの大幅な進化により、ノイズ低減とトーンマッピングが向上しているという。
ProMotionを採用したSuper Retina XDR:より明るく、より反応の良いディスプレイ
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは、これまでのiPhoneで最も先進的なディスプレイであるProMotionを採用したSuper Retina XDRを搭載。
10Hzから120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応するため、ユーザーが必要とする時は高速で画面を描き換え、不要な時はバッテリーの消耗を抑えるという。
6.1インチと6.7インチの両サイズ4に搭載された賢く新しいディスプレイは、より効率の高いOLEDパネル、A15 Bionicの新しいディスプレイエンジン、さらに速くなったGPU性能、常時オンのタッチコプロセッサを活用し、iOS 15と共に動作するよう特別に設計されているため、ジェスチャー、アニメーション、ゲームを楽しむ際などにより速く、より反応が良く感じられるとのことだ。
これは、1,000ニトというこれまでより最大25パーセント高い屋外輝度を備えた、iPhone史上最も明るいディスプレイであり、ユーザーは気軽にウェブを閲覧している時でもHDRのビデオを視聴している時でも、驚くべき解像度、色、コントラストを体験できる。
全面的に刷新、耐久性の高いデザイン、バッテリー駆動時間が大幅に向上
まったく新しいProのラインナップは、上質なフラットエッジのデザインを採用し、医療に使われているものと同じグレードのステンレススチール製のフレームなどの優れた素材、耐摩耗性と耐食性のある洗練された仕上げ、背面には質感のあるマットガラスを使用。
新しいシエラブルーを含む印象的な4つのカラーがあり、シエラブルーはナノメートルレベルのメタリックセラミックスの複数のレイヤーを表面全体に施されている。
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは、iPhoneだけに採用されている、他のどのスマートフォンのガラスよりも強靭なCeramic Shieldの前面カバーで保護されており、驚くべき耐久性と耐落下性能を提供。
また、スマートフォンで最も安全な顔認証であるFace IDなどの革新的なテクノロジーを引き続き搭載しながらも、TrueDepthカメラシステムを搭載するための領域が20パーセント縮小され、ディスプレイの表示領域がさらに広くなっているという。
背面のカメラシステムには、サファイアクリスタル製レンズを美しいステンレススチールの縁で囲んだ新デザインを採用。
Proのラインナップは、業界最高クラスのIP68等級の耐水性能を備え、一般的な液体をこぼしても保護されるように設計されている。
内部では、A15 Bionic、電力効率が向上した部品、大きくなったバッテリー、ハードウェアとソフトウェアの緊密な連係によって実現した電力使用の最適化によって、どちらのProモデルも驚きの一日中使えるバッテリーを実現。iPhone 13 Pro MaxではiPhone史上最長のバッテリー駆動時間を提供するという。
iPhone 13 ProはiPhone 12 Proと比較して1日に最大1時間半長く使うことができ、iPhone 13 Pro MaxはiPhone 12 Pro Maxと比較して1日に最大2時間半長く使えるとのことだ。
さらに多くの場所で5G体験を
世界が急速に5Gに移行しつつある中、iPhoneは、ユーザーがつながり、共有し、コンテンツを楽しむ方法を変革する、先進的な5G体験を提供。
iPhone 13 Proラインナップの独自のハードウェア設計によって、さらに多くの5G周波数帯に対応するようになり、より広範囲な地域で、より優れたパフォーマンスで5Gを利用できるように。
2021年の年末までに、iPhoneの5G対応は世界中で2倍に増え、60の国と地域にある200社以上の通信事業者が対応するようになるという。
iOS 15では、5G経由のSharePlay8により、FaceTime通話中に友達と同期した状態でHDR画質の映画やテレビ番組を一緒に観るといったパワフルな共有体験ができるようになる。
また、スマートデータモードでは、5Gの通信速度が必要でない時は自動的にiPhoneをLTEに切り替えることで、バッテリーを賢く節約するとのことだ。
iOS 15を搭載
iOS 15は、つながりを保つ新しい方法やデバイス上の知能を使い、ユーザーの集中を助けたり、探索したり、さらに多くのことができるパワフルな機能を提供。
FaceTime通話では、空間オーディオと新しい「ポートレートモード」によってさらに自然な会話が可能に。新しい「集中モード」機能はユーザーの気が散る要因を減らすために役立つほか、通知も再設計されているという。
「テキスト認識表示」ではデバイス上の知能を使って写真中のテキストを認識し、それに応じてユーザーが操作できるようになる。
Appleマップでは、新しい3次元の街並みをドライブする体験や徒歩の経路を拡張現実で示すナビゲーションにより、世界を旅し、探索する素敵で新しい方法を提供。天気アプリケーションは再設計されて、全画面表示の地図が採用され、気象情報の視覚的な表示が増加。
ウォレットは家の鍵に追加対応し、Siri、メールなどシステム全体の様々な部分で新しいプライバシーコントロールが導入され、ユーザーの情報がさらに保護される。
iPhoneと環境
iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxは、環境に対する影響を最小限に抑えるように設計。今回初めてバッテリー管理ユニットにも100パーセント再生スズを使用し、どちらのモデルでも、メインロジックボードのメッキ、前面のカメラと背面のカメラのケーブルに100パーセント再生金を使用。
再設計したパッケージでは、外側のプラスチック包装を取り除き600トンのプラスチック利用を削減し、2025年までにすべてのパッケージからプラスチックを完全に取り除くというAppleの目標に一歩近づいたという。
Appleはカーボンニュートラルなグローバル企業であり、2030年までに製造サプライチェーンおよび製品ライフサイクル全体を含むすべての事業で、気候変動への影響をネットゼロにするよう取り組んでいる。
これは、販売されるすべてのApple製デバイスで、部品製造、組み立て、輸送、ユーザーの利用、充電、そしてリサイクルや素材の回収まで、100パーセントカーボンニュートラルにすることを意味するとのことだ。