声帯摘出手術で声を失う人々にAI音声合成を無償に、20歳の現役大学生社長「少しでも支えになりたい」

株式会社Yellstonは9月9日、今後声帯摘出手術などで声を失う可能性のある人々向けに、AI(人工知能)音声合成プラットフォーム「CoeFont CLOUD」を無料提供すると発表した。

CoeFontは「『声』を手軽かつ表現力豊かな、『フォント』のようにする」がコンセプトのAI音声合成。現在、Yellstonは「CoeFont STUDIO」と「CoeFont CLOUD」を提供している。

喉頭がんや下咽頭がんなど喉のがんにより声帯を摘出し、自分の声を失った人は2〜3万人ほどいると言われている。「CoeFont CLOUD」で自分の声を収録することで、声を失った後もスマホやPCから簡単な文字入力で自分の声の音声合成を利用できる。

従来の1文字ずつつなげて音声にするようなサービスとは異なり、AIを活用して本人が話しているような音声を作成し、実際に会話をしているような体験ができるという。申し込みをしたい人は「CoeFont CLOUD 声帯摘出者向けプラン申請フォーム」より。

株式会社Yellston 代表取締役社長 早川尚吾氏は、20歳で東京工業大学の現役大学生でもある。とくに「CoeFont CLOUD」は従来では価格は50万円、収録は10時間以上必要だった音声合成が、わずか価格は500円、収録は15分で実現する。SNS上などで「素晴らしい開発」「まさに革命」などと話題になっていた。

早川尚吾氏は今回の発表に際して、「声帯摘出者の方が利用するという、自分が考えていなかった使われ方に最初は驚きました。実際に会話で使っていただいている動画を見ると、自分が作ったものが人の役に立っているということがこんなにもうれしいのかと思いました。そして自分の声を失ってつらい思いをしている方々の支えに少しでもなりたいと思い、今回の無料提供にいたりました」とコメントを寄せる。

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