凸版印刷は、リサイクルされた非晶性ポリエチレンテレフタレート(以下PET-G)樹脂を使用し、接触型と非接触型の両方の通信が可能なデュアルインターフェースICカードを開発し、クレジットカード等の各種カード向けに販売を開始したと発表した。
同製品は、日本で初めてカードの主材料にリサイクルPET-Gを使用したデュアルインターフェースICカードとしている。
なお、同製品は丸井グループのクレジットカード事業会社であるエポスカードがオンラインショップ加盟店からの申込みで発行している「eマーケットカードエポス」に採用されたとのことだ。
地球温暖化や海洋汚染など様々な環境問題が発生している現在、脱炭素社会の実現やサーキュラーエコノミーの確立は、世界中の企業や団体が取り組むべき課題となっている。
凸版印刷は2020年11月に「TOPPAN Business Action for SDGs」を策定し、SDGs達成に向けた事業での貢献において特に注力すべき分野のひとつとして「サステナブルな地球環境」を掲げ、サーキュラーエコノミーの実現、脱炭素社会の実現、そしてエコプロダクツ・ソリューションの拡大に取り組んでいるという。
また、近年のデジタルシフトにより、インターネットを経由した電子商取引や実店舗でのキャッシュレス決済が増加し、クレジットカードを始めとする各種カードの需要は高くなっているとのことだ。
このような背景のもと、凸版印刷は2021年6月にリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)を使用した非接触通信型の環境配慮型ICカードの取り扱いを開始し、ギフトカードやポイントカード向けに展開。
今回、環境配慮型ICカードの新たなラインアップとして、リサイクルPET-Gを使用したデュアルインターフェースICカードを開発し、クレジットカードをはじめとする金融系カード向けにおいても、環境配慮型ICカードを提供することが可能となったという。
製品の特長
●リサイクルPET-Gを主材料としたデュアルインターフェースICカードを日本で初めて実現
PET-Gは燃やしても有害物質が発生しないことから、PVC(ポリ塩化ビニル)の代替としてカード材料として広く使用されている一方で、カード用の材料として使用されるリサイクルプラスチックとしては、リサイクルPETやリサイクルPVCが主流だという。
凸版印刷は、使用済みの産業用パッケージをリサイクルしたPET-Gからなるカード用部材を欧州サプライヤーより調達することで、カードの主材料としてリサイクルPET-Gを使用したデュアルインターフェースICカードを日本で初めて実現したとのことだ。
●接触型と非接触型の両方の通信が可能
接触型と非接触型の両方の通信が可能なデュアルインターフェースICチップを搭載したICカードとなるため、クレジットカードなど金融系カードはもちろん、ポイントカードや会員証など、さまざまな用途に利用することが可能。
凸版印刷は、同製品を通してリサイクルプラスチックの活用を推進し、資源循環型社会に貢献するとのことだ。