緊急時透析情報共有プラットフォーム「DIEMAS」誕生 災害時の「透析難民」を防ぐ

緊急時透析情報共有プラットフォーム DIEMAS

医療システムソリューション等を提供するアルカディア・システムズは、東京都透析医会、東京都臨床工学技士会と共同の医工連携事業として、災害時に透析医療継続の中心となる緊急時透析情報共有システム「DIEMAS(Dialysis Information in Emergency Mapping System)」を立ち上げたことを発表した。

「DIEMAS」は、災害時に情報を一元管理し、医療現場、災害対策チーム、企業、行政が情報を共有できるプラットフォーム。

また、同システムのより強固なネットワークの構築と垣根を越えた連携のために、企業・団体からの支援も募っているとのことだ。

「緊急時透析情報共有システム「DIEMAS」

【システム機能概要
同システムを活用し、緊急災害時にそれぞれが自発的に行動することで、一人でも多くの尊い命を救うためのツールになるとしている。

特に都道府県の枠を超えた連携を図るために、多くの都道府県での導入はもちろんのこと、透析治療を受けている人々も登録することで、災害時により効果を発揮するとのことだ。

1.被災状況の入力
あらかじめ各施設の設備、医療従事者数や患者数を登録することで、災害時に簡単に被災状況の入力が可能。そして、入力された被災状況を俯瞰的に地図上で災害対策管理者が閲覧し、迅速な判断/行動につながるという。

被災状況の入力

2.透析要請

被災した場合、災害対策チームへ患者の透析を要請することが可能としている。また、被災していない施設で透析患者を受け入れることができる施設も同様にその人数を入力することができ、その情報を元に管理者はどこの病院に誰を移動させるかを手配することが可能とのことだ。

透析要請

3.人材リクエスト

看護師や臨床工学技士などの医療スタッフの不足数をリクエストすることができるという。迅速に職種別の不足数を把握することができ、JHAT(日本災害時透析医療協働支援チーム)と協力し、人材を派遣することが容易になるとしている。

人材リクエスト

4.医療物資リクエスト
災害時に不足する医療物資をリクエストすることができ、その情報が集約され都道府県ごとに不足する資材を一般公開し、様々な人からの支援を募ることが可能に。

そして、支援された医療物資を必要な施設に必要なものを必要なタイミングで送ることができるとしている。

医療物資リクエスト


5.災害対策チームの機能

●患者マッチング
地図上に表現された情報を元に、患者の受け入れ施設のマッチングすることが可能。

被災施設が赤丸、受入可能施設が青丸で表示され、一目で距離感と人数を把握し、その施設にマッチングすることができ、スピーディーな患者の受け入れ先検討をサポート。

●人材、医療資材リクエスト状況確認
管理者側で、人材、医療資材の必要な施設に必要な人、資材のリクエスト状況を把握でき、JHAT等の災害医療人材の派遣チームや医療ディーラーと協力することで、必要な人材、物資を必要なところに送ることができるようになるとのことだ。

【右】患者マッチング【左】人材、医療資材リクエスト状況確認
モバイルバージョンを終了