ヤマト運輸とアルフレッサ、AIで配送業務量を予測 配送生産性を最大20%向上

ヤマトホールディングス株式会社傘下のヤマト運輸株式会社と、アルフレッサホールディングス株式会社傘下のアルフレッサ株式会社は8月3日、ビッグデータとAI(人工知能)を活用した「配送業務量予測システム」「配車計画システム」を開発し、導入を開始すると発表した。これにより、配送生産性は最大20%向上、CO2排出量は最大25%削減できるという。

配送業務量予測システムは、アルフレッサがこれまでに蓄積した「販売」「物流」「商品」「需要トレンド」などのビッグデータをAIで分析し、顧客ごとの配送業務量(注文数、配送発生確率、納品時の滞在時間など)を予測する。AIが学習することで各種予測の精度が向上し、より効率的に配車計画を作成できる。

配車計画システムは、配送業務量予測システムで得た情報をもとに配車計画を自動的に作成する。これまでにヤマト運輸が蓄積した物流や配車に関するノウハウに加え、渋滞などの道路情報を活用することで、効率的かつ安定的な配車計画を作成できる。配送の業務量が多いときには、ヤマトグループの保有する配送リソースも機動的に活用し、これまで以上に安定した配送を実現する。

配送業務量予測システムと配車計画システムを導入・活用し、配送生産性を最大20%向上できる。配車計画システムを導入・活用することで、従来の固定化した配送ルートではなく、日々の業務量に応じた最適な配送コースを設定できる。これにより、車両の走行距離を短縮し、CO2排出量を最大25%削減可能になる。

医療機関へ医薬品を納品する際、アルフレッサの配送員と医療機関の医療従事者が対面で検品作業を実施しているが、納品するアイテム数が多い場合は対面作業の時間が長くなることがある。アルフレッサはこれまで納品時に検品作業が不要な「パッケージ納品」を展開してきたが、今回導入するシステムに加え、デジタル機能の活用による事前検品を増やすことで、医療機関における対面作業の時間を最大20%減少できる。

※いずれも効果は現在との比較/両社予想値

これらのシステムは2021年8月からアルフレッサの首都圏の支店を対象に導入を開始する。その後、アルフレッサの全国の支店に順次、拡大予定としている。

アルフレッサとヤマト運輸は7月21日、「ヘルスケア商品」の共同配送スキームの構築に向けた業務提携を発表した。今回の発表は業務提携の第1弾である。

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