塩野義、鼻に投与するコロナワクチン開発へ 東大発ベンチャーとライセンス契約

塩野義製薬と東京大学発の創薬ベンチャーであるHanaVaxは、カチオン化ナノゲルデリバリーシステム(cCHP)を用いた新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する新規経鼻ワクチンの開発に関するライセンス契約を締結したと発表した。

cCHPは、カチオン性コレステリルプルランを用いたHanaVax社の独自のデリバリー技術。

鼻腔内に投与することで、従来の注射による痛みがなく、感染部位である呼吸器粘膜ならびに全身に対して効果的に免疫を誘導することができるという。

また、医療環境が整っていない新興国では注射による投与が困難な場合があり、医療アクセスの観点から、どのような所でも使いやすい製剤として経鼻ワクチンの必要性が高まっているとのことだ。

同社とHanaVax社は、昨年、経鼻肺炎球菌ワクチンに関するライセンス契約を締結。

今回の新たな契約締結により、同社は、cCHP技術を活用したCOVID-19経鼻ワクチンの全世界における独占的研究・開発・製造・流通ならびに販売権を取得するとしている。

HanaVax社は、同契約の締結に伴う一時金、今後の開発の進展に応じたマイルストン、ならびに製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーを同社より受領するとのことだ。

塩野義製薬とHanaVax社は、アンメットメディカルニーズを満たす画期的な次世代経鼻ワクチンの提供を通じて、COVID-19の脅威から人々を解放するため、感染症領域における塩野義製薬の強みと、粘膜免疫学のパイオニアであるHanaVax社の強みを融合し、同ワクチンの研究開発を加速していく方針を示している。

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