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凸版印刷とESRIジャパン、大日本コンサルタントの3社は、日本の自治体におけるSDGs達成度をわかりやすく可視化する手法の開発を共同で進めている。
今回、国際連合地域開発センター(UNCRD)が中心となって運営する「自治体SDGsモニタリング研究会」が公開した、日本の地方自治体がSDGs推進を加速するためのSDGsモニタリングツール「自治体SDGsモニタリングの手引き Part A:地域のSDGs 達成度評価」の発行に3社が参画し、共同開発した成果の一部を活用することにより、取組みのサポートを推進したと発表した。
「自治体SDGsモニタリングの手引き Part A:地域のSDGs達成度評価」の概要
「自治体SDGsモニタリングの手引き Part A:地域のSDGs 達成度評価」は、地方自治体の現在のSDGs達成度を0から100の間でゴールごとに評価し、各地方自治体の強みと弱み、現状と課題を把握することを可能とするツールとしてまとめたもの。
開発した評価システムの概要と日本の47都道府県における評価結果、そして都市単位でのケーススタディとして、名古屋市および豊田市の評価結果を掲載している。
今後は、内閣府の地方創生SDGs官民連携プラットフォーム分科会「地方自治体におけるSDGsモニタリング研究会」(事務局:国際連合地域開発センター・大日本コンサルタント)と連携し、より多くの地方自治体をパートナーとして、モニタリングツールの実証や普及促進を行うとしている。
また、同手引きの続編として、「Part B:地方自治体のSDGs 推進に向けた体制づくりと進捗管理」「Part C:地域のSDGs に関する情報収集と可視化への取り組み」の作成を行っており、今後公開する予定であるとのことだ。
さらに、地方自治体のSDGsに向けた取り組みの適切なモニタリングと進捗管理、情報発信を総合的に支援するシステムの提供も同時に行っていくという。
■ 開発の背景
2015年国連サミットにおいて全会一致で採択された持続可能な開発目標(SDGs)は、いまや企業や地域、市民が一体となって取り組む目標となっており、日本においても多くの地方自治体が各々の特性に合った取り組みの提案や普及啓発を進めている。
SDGsへの取り組みを一過性のものとして終わらせないためには、「計画と啓発」の段階から「実行とモニタリング」の段階へと着実に進め、仕組みとして定着化することが重要であるとのことだ。
これまで地域のSDGs推進支援に積極的に取り組んできた3社は、自治体やその関係者等から、施策展開や普及促進に向けてSDGsに関する現状、強みや弱み、進捗状況を把握するエビデンスやその収集に対するニーズの声を多く耳にしてきたという。
同手引きは、そのような課題に応えるために、地方自治体におけるSDGsへの取り組みを適切にモニタリングするためのツールや事例を提供するものとなっている。
同手引きの成果をもとに、3社はこれまで以上にエビデンスに基づく地域のSDGs推進に向けた施策支援、情報発信やプロモーション支援を通じて、効果的かつ着実な地域のSDGs推進を後押ししていくとのことだ。
開発における3社の役割
凸版印刷:情報収集および情報発信の企画プロデュースやオンラインセミナー等の運営
ESRIジャパン:可視化手法の検討と情報発信のための可視化事例の提供
大日本コンサルタント:達成度の指標やモニタリングの仕組みづくりに関する開発
凸版印刷、ESRIジャパン、大日本コンサルタントの3社は、今後も様々な関係機関や地方自治体との協力のもと、日本の様々な地域におけるSDGsの取り組みをサポートし、その施策展開や情報発信、情報提供システムの普及に貢献していくとしている。