ブランド総合研究所は、都道府県ごとに住民の幸福度や居住意欲度、悩みや地域の課題、自治体のSDGsへの取り組みの評価などを数値化する調査「第3回地域版SDGs調査2021」を実施したと発表した。

第3回地域版SDGs調査2021

調査の結果、居住している都道府県のSDGsへの取り組みを評価している人ほど、「幸せ」を感じる割合が高いことがわかった。また、これらの人たちは定住意欲度も高くなっているという。

全国で広がるSDGsへの取り組みだが、その内容が住民に理解され、評価されることが住民の「幸福度(幸せと感じる強さ)」を高め、地域の持続性を高めることにつながるということだ。

「地域版SDGs調査2021」は、住民視点での地域の持続性に関する課題を明らかにし、将来に向けて持続性を高めるために必要な施策や目標値設定に活用できる調査として設計したもので、今回が3回目となる。

SDGsの認知度のほか、居住する都道府県のSDGsの取り組みについての評価、社会や環境の持続性につながる行動、幸福度などの持続性と、それらの阻害要因である悩みや地域の課題など、全142項目の指標を徹底的に調査・数値化。

なお、調査は5月にインターネットで実施し、都道府県の住民約350人ずつ計約16,300人から有効回答を得たとのことだ。

幸福度1位は沖縄県。宮崎県は2位に

「あなたは幸せですか」という設問に対し、各都道府県の住民に5段階で回答してもらった結果を集計したところ、最も幸福度が高いのは沖縄県となった。

同県は、42.2%が「とても幸せ」、37.4%が「少し幸せ」と、住民のおよそ8割が幸福を感じていると答えた。その一方で、「全く幸せではない」はわずかに1.6%、「あまり幸せではない」と回答した人が6.4%となっており、ネガティブな意見がとても少ない結果となった。なお、幸福度は前年の72.2点より大幅に上昇している。

前年まで2年連続で1位だった宮崎県は73.0点で2位に。次いで3位には熊本県が72.4点で、前年の9位から大きく順位を上げており、4位山梨県、5位愛媛県もともに大きく順位を上げている。

上位には九州など西日本の府県が多く、東京が45位、神奈川県が46位など、関東や東北など東日本は総じて順位が低くなっている。

幸福度1位は沖縄県。宮崎県は2位に

3人に2人が「幸せ」と回答

「あなたは幸せですか」という問いに対し回答者の29.1%が「とても幸せ」、36.8%が「少し幸せ」と答えるなど、両者の合計ではおよそ3人に2人が「幸せである」と答えた。いずれも前年の調査より回答比率が高まっており、この1年間で幸福度が高まっていることがわかる。

3人に2人が「幸せ」と回答

持続度1位は沖縄県。北海道2位、福岡3位

地域の持続性に関する4つの指標(幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度)の平均値を「持続度」として算出。持続度1位は沖縄県で2年連続。愛着度2位、定住意欲度3位といずれも評価が高い。

2位は北海道、3位は福岡県と前年と同じ顔触れとなった。いずれも生活満足度、愛着度、定住意欲度ともに3位以内となっている。4位の熊本県は前年の7位から大きく順位を上げ、5位の石川県は前年より順位は1つ下げたが、点数は前年より上昇している。

なお、長野県、広島県、愛媛県の3県は前年よりも大きく順位を伸ばしているが、長野県は幸福度と生活満足度、広島県は生活満足度と愛着度、定住意欲度、愛媛県は全ての項目で前年より大きく上昇。

持続度1位は沖縄県。北海道2位、福岡3位

【調査概要】
調査方法:  インターネット調査
調査対象:  47都道府県の登録調査モニター(15歳以上)から、居住する都道府県別に抽出
総回収数:  計16,450人(各都道府県から350人ずつを回収)
有効回答数: 16,300人(各都道府県の回答者数は343~350人)
調査時期:  2021年5月1日~5月5日
調査項目:  持続性指標:幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度など4項目
SDGs指標: 認知度、都道府県別SDGs評価、個人の行動など42項目
住民の悩み: 46項目「低収入・低賃金」「貯蓄・ローン」など
社会の課題: 50項目「農林水産業の衰退」「食の安全・安心」など
回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など

<参考>
ブランド総合研究所『地域のSDGsを評価している人ほど、幸福度が高いことが判明