JAXAと国連宇宙部の連携協力プログラム「KiboCUBE」の第3回で選定された、モーリシャス学術研究イノベーション会議(Mauritius Research and Innovation Council、以下MRIC)の超小型衛星(衛星名:MIR-SAT1(ミーアサットワン))が「きぼう」日本実験棟より放出された。
衛星放出のライブ映像はウェブ上のライブ中継で配信され、モーリシャス国内ではプラヴィン・クマール・ジャグナットモーリシャス共和国首相、川口周一郎駐モーリシャス日本国大使およびその他関係者らが放出の様子を見守ったという。
MIR-SAT1は同国初の人工衛星で、「きぼう」からの放出後、MRICが運用を行う。今回得られる衛星開発の経験、そして画像取得および地上との通信の技術実証で得られる知見が、同国の今後の更なる宇宙活動の発展へとつながることが期待されるという。
第3回KiboCUBE MIR-SAT1の放出までの経緯
・2018年6月 第3回KiboCUBEとして選定
・2021年2月 JAXA筑波宇宙センターにてJAXAへ衛星引き渡し
・2021年6月3日 NASAケネディ宇宙センターから国際宇宙ステーション(ISS)へ打上げ
・2021年6月22日 「きぼう」日本実験棟より、ロボットアームにより放出
JAXA 佐々木宏 理事、有人宇宙技術部門長は以下の通り述べている。
「JAXAがモーリシャス初の衛星MIR-SAT1の「きぼう」からの放出を無事に完了できたことを心よりうれしく思います。また、モーリシャスが宇宙コミュニティの一員となる支援ができたことを名誉に感じています。本件に携わった国連宇宙部そしてMRICの関係者の皆様に改めて敬意を表します。
MIR-SAT1は画像の取得および地上との通信の技術実証などに取り組まれると伺っています。それら全てが成功を収めるよう祈念しております。
この放出は、モーリシャスの宇宙活動への第一歩になり、そして、MIR-SATの開発・運用を通じて得られた経験は、モーリシャスの宇宙活動の発展につながるものと思います。近い将来、またJAXAがモーリシャスの皆様と協力できることを心より願っております。改めて、放出の成功誠におめでとうございます。」