Zホールディングス(以下、ZHD)は、カーボンニュートラルに向けた取り組みを加速することを目的に、環境問題の解決に貢献する事業に対する資金調達手段として、同社グループ初となる「グリーンボンド」を2021年度中に発行することを決定。
グリーンボンドの発行により調達された資金は、ZHDグループで利用するPUE(Power Usage Effectiveness)1.5未満を満たす、エネルギー効率の高いデータセンターの建設や改修などへの投資、およびデータセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達資金に充当するという。
同グリーンボンドの発行に向けて、ZHDグループの環境基本方針である、「情報技術の活用により、未来世代に向けた地球環境保全への取り組みを継続的に実践する」を基に、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンドガイドラインに定められている4つの要素(1.調達資金の使途、2.プロジェクトの評価と選定、3.調達資金の管理、4.レポーティング)に関する方針をグリーンボンド・フレームワークにおいて策定。
なお、同フレームワークは、ESG評価機関のサステイナリティクスより、「グリーンボンド原則2018(ICMA)」および環境省「グリーンボンドガイドライン2020年版」との適合性に対する第三者外部評価(セカンドパーティ・オピニオン)を取得しているとのことだ。
2021年4月に日本政府が、2030年の国内CO2削減目標を2013年比46%減とする新目標を発表するなど、世界的に脱炭素化の流れが加速しているという。
また、環境省によると、国内企業のグリーンボンド等の2020年の発行実績は、過去最高だった2019年の58件:8,238億円を上回り、77件:1兆170億円となるなど、ESG投資の拡大を背景に国内のグリーンボンドの発行額は増加しているとのことだ。
ZHDは、事業活動における環境への負荷を低減すべく、国際イニシアチブ「RE100」の早期加盟を目指している。
ZHDグループの中核企業の一つであるヤフーにおいては2021年1月に、2023年度までに気候変動や地球温暖化の原因となっている温室効果ガス(GHG)の排出削減を目指し、事業運営で利用する電力の100%再生可能エネルギー化の目標を掲げている。
ヤフーが事業活動で利用する電力はその95%がデータセンターで利用されており、グリーンボンドの発行により調達した資金の一部が、データセンター運営に必要な再生可能エネルギーの調達に充当される予定であるとのことだ。
ZHDは、今後もグループ全体で再生可能エネルギーの導入および利用拡大を推進することで、サステナブルな社会の実現に貢献していくとしている。
Zホールディングス 専務執行役員GCFO(最高財務責任者)坂上亮介氏は以下の通りコメントしている。
「Zホールディングスは、「UPDATE THE WORLD – 情報技術のチカラで、すべての人に無限の可能性を。」をミッションに掲げています。また、技術力で未来を切り拓き、継続して社会課題を解決することで、サステナブルな社会を実現していきます。ZHDの中核企業であるヤフーでは、2023年度までに、事業活動で利用する電力の全てを再生可能エネルギー化する目標を掲げています。この度、エネルギー効率の高いデータセンターへの投資や再生エネルギーの調達など、カーボンニュートラルの取り組みを加速するためグリーンボンド発行に向けたフレームワークを策定しました。ZHDは、今後も財務規律を守りながら、サステナブルな社会の実現に向け、未来に向けた成長投資を推進し、持続的な成長を実現していきます」
■同フレームワーク(一部抜粋)
<調達資金の使途>
グリーンボンドの発行により調達された資金は、以下の適格クライテリアを満たす適格プロジェクトに関連する新規支出およびリファイナンスへ充当。
なお、既存支出のリファイナンスの場合は、建設、改修、補修等をグリーンボンド発行から過去5年以内に実施した支出に限るとのことだ。