大和ハウス、森林破壊ゼロの達成へ 木材調達の方針を策定

大和ハウス

大和ハウス工業は、2030年までに建設する建物における木材調達に伴う森林破壊を根絶するため、4つの方針を策定したと発表した。

同社グループは環境長期ビジョン「Challenge ZERO 2055」に基づき、創業100周年となる2055年までに、グループ、グローバル、サプライチェーンを通じて「環境負荷ゼロ」の実現を目指しているという。

その重点テーマの一つとして、自然環境との調和を掲げており、その中で2030年までに建設する建物における木材の調達に伴う森林破壊をゼロにし、2055年までに全事業における材料調達による森林破壊を根絶することを目指しているとのことだ。

そして今回、同社グループは「森林破壊ゼロを掲げるサプライヤーからの木材購入」や「原産国における先住民、労働者の権利、安全に配慮した木材を取り扱うサプライヤーからの調達」など木材調達における方針を策定。

大和ハウスグループの木材調達における森林破壊ゼロ方針

1.森林破壊ゼロを掲げるサプライヤーから木材を購入

森林破壊ゼロを達成するため、サプライヤーに2030年までに森林破壊ゼロの方針策定を要請。森林破壊ゼロの方針を策定しないサプライヤーからの木材調達は原則禁止。

2.原産国における先住民、労働者の権利、安全に配慮した木材を取り扱うサプライヤーから購入

原産国の人権侵害防止や安全性重視のため、サプライヤーに2030年までに労働や人権に関する方針策定を要請。人権問題に関する方針を策定しないサプライヤーからの木材調達は原則禁止。

3.トレーサビリティが確保された木材を購入

適切な方法で伐採された木材の利用を推進するため、トレーサビリティが確保された木材のみを調達していくとのことだ。

4.調達先調査の範囲拡大

これまで木材調達調査の対象としてきた構造材や下地面材、桟木、フロア材に加えて、型枠合板パネルや主要設備、建具、クロスも追加し、森林破壊ゼロの取り組み範囲を拡大。

SDGsと事業を統合した企業経営が求められる中、同社グループは脱炭素社会への取り組みを加速させることで、持続的な成長ならびに事業を通じた持続可能な社会への貢献を果たしていくとしている。

■森林破壊ゼロに向けた木材調達に取り組む背景

世界の森林は、毎年、東京都の約45倍の面積となる約1,000万haが減少しており、1990年から2020年までで約4億2,000万haが消失したという。

特に、アマゾンや東南アジア、アフリカなどの熱帯地域において急速に自然林が減少しており、生物多様性や先住民の生活が脅かされている。また、伐採により森林に蓄えられた二酸化炭素が大気に放出されることで、地球温暖化が加速する要因のひとつにもなっているとのことだ。

そのため、同社は温室効果ガス削減に関する国際的イニシアチブ「SBT」に加盟する企業として、サプライチェーン全体でさらなる環境保全を推進するため、木材調達における森林破壊ゼロ方針を策定することとしたとのことだ。

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