社会人も大学生も「やりたいことが分からない」 ポジウィル、20代の就職・仕事に関する調査を実施

ポジウィルは、20代の就職・仕事に関する調査結果を発表した。

同調査は、同社が提供するキャリアのパーソナル・トレーニング「POSIWILL CAREER」の無料カウンセリングにおける利用者層と、法政大学キャリアデザイン学部 ライフキャリア論を受講した大学1〜4年生のキャリア観を調査したものであるとのことだ。

企業に求める軸に関する意識調査

概要

6月1日は2022年卒新卒採用の選考活動解禁日の解禁日。選考が本格化する4年生をはじめ、先輩の就活開始に「自身の数年後」を重ねて不安に思う大学生も多いことが予想されている。

同調査では、就活生の声だけでなく、社会人の就活当時及び現在の仕事における意識も調査することで、就活前後での「企業に求める軸」の変化についても考察しました。

サマリー

●就活生の悩みは「自分に向いている仕事が分からない」「自分のやりたいことが分からない」といった自己理解に関する不安

●学生も社会人も大きく変わらない就活軸

●働く中で変化する「企業に求める軸」と新たに生まれる悩み

情報収集はSNSで、就活相談は親・友人・先輩。令和時代の就活術
SNSでの情報収集が活発

旧来から就活の情報収集に利用されている媒体(求人サイト)の支持度は高いという。また、そのほか「SNS」での情報収集が目立つ結果となった。

昨今の学生はSNSネイティブ世代であるほか、より自分と近い目線で発信されている情報を参照する傾向がうかがえる。

情報収集はSNSで、就活相談は親・友人・先輩。令和時代の就活術
SNSでの情報収集が活発

相談相手は「親」「友人・先輩」など身近な人

「就職活動で困ったときに相談する相手」は「親」「友人・先輩」など身近にいる人がトップ2を占めた。教授やキャリアセンター等、専門的知見を持つ第三者に頼るよりも、自分のことをよく知っている身近な人に相談するという結果に。

相談相手は「親」「友人・先輩」など身近な人

就活生の悩みは「自分に向いている企業が分からない」「自分のやりたいことが分からない」といった自己理解に関する不安

「就職活動について、今悩んでいること」の質問については「自分に向いている業界・企業が分からない」次いで「やりたいことが分からない」が上位にあがった。

3番目に多い回答の通り、自己分析が十分にできておらず、意思決定の方向性が見えない学生が多いことが分かったとのことだ。面接対策など具体的な方法論よりも、漠然とした悩みをクリアにしたいことが昨今の学生の悩みの傾向に。

就活生の悩みは「自分に向いている企業が分からない」「自分のやりたいことが分からない」といった自己理解に関する不安

大学生が重視する軸は「やりがい」、次いで「年収・待遇」

「企業を選ぶにあたって最も重視している軸」については、「やりがい」が2位以下に2倍以上の差をつけてトップにあがった。先行きの不透明な時代の影響か「年収・待遇」が2番目に重要という結果に。

大学生が重視する軸は「やりがい」、次いで「年収・待遇」

現在活躍する社会人が、新卒当時重視していた軸は「やりがい」次いで「一緒に働く人・社風」

「企業を選ぶにあたって最も重視している軸」については、最も重視する軸は「やりがい」で、2位は「一緒に働く人・社風」という結果に。

リモートワークがまだ浸透していなかったこの頃は、会社で過ごす時間が一日の大半を占めるため、居心地の良さに重きを置く人も現在より多かったと考えられる。

現在活躍する社会人が、新卒当時重視していた軸は「やりがい」次いで「一緒に働く人・社風」

社会人が現在、企業に求める軸は【年収・待遇】【一緒に働く人・社風】に変化

20代社会人を中心に「今大事だと感じる軸」を聞くと、【年収・待遇】【一緒に働く人・社風】といった実務面が上位を占める結果となった。

社会人が現在、企業に求める軸は【年収・待遇】【一緒に働く人・社風】に変化

社会人の現在の悩みは【夢中になれる仕事がしたいが、やりたいことがわからない】【相談相手がいない】【今の仕事が合わない】などが上位

現在抱えているキャリアの悩みについては「夢中になれる仕事がしたいが、やりたいことが分からず会社選びができない」が一位に。

現在の仕事に漠然と悩みを抱えているが、どのように転職先を選べばいいか分からず、動けない人もいるのかもしれないとしている。

社会人の現在の悩みは【夢中になれる仕事がしたいが、やりたいことがわからない】【相談相手がいない】【今の仕事が合わない】などが上位

総括

学生向けと社会人向け(就活当時・現在)それぞれのアンケートを比較すると、「企業に求める軸」は働く上で変化が生まれる可能性があることが判明。

仮説としては、新卒当時に思っていた「やりがい」と、働いてみて感じる「やりがい」は異なる場合があり、また「やりがいさえあれば様々な困難を乗り越えられるはず」という見立ても、長期的にキャリアを築く上では持続が難しいのかもしれない。

また、学生・社会人ともに共通して「自分に向いている仕事」や「夢中になれる仕事」に関する漠然とした不安や悩みを抱えており、自己理解が不足しているように見受けられた。

大学生も社会人も、改めて「自分にとってのやりがい」や「向いている仕事(強み)」を理解するため、自己分析などの「テクニック以前のキャリア選択支援」が真に望まれているのではないかとのことだ。

【調査概要】

■大学生
調査対象者概要:法政大学キャリアデザイン学部 ライフキャリア論を受講した大学生190名
学年:1年生:94.2%、2年生:3.2%、3年生:1.1%、4年生:1.1%、5年生以上:0.5%
男女比:女性63.2%、男性34.7%、その他2.1%
■社会人
調査対象者概要:「POSIWILL CAREER」無料カウンセリング受講者141名
年齢:20代が多数(20代:76.5%、30代:21.2%、40歳以上:2.1%)※
男女比:女性75.9%、男性22.7%、その他1.4%※
職業:会社員が過半数(会社員:87.2%)
※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはならない

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