新型コロナウイルス感染拡大によるリモートワークの推進で、すぐ近くに座っている上司や先輩に相談する、コーヒー休憩を同僚と共にして雑談する、目標達成をチームメンバーと称え合う、といったリアルでのコミュニケーション機会は少なくなったのではないだろうか。
それによって、ちょっとした雑談をできる環境が、日々の仕事を円滑に進めるためにどれだけ貢献していたかを痛感しているビジネスパーソンも多いだろう。
2021年3月に発表されたHR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021」では、昨年に比べるとコミュニケーション不足によって「迅速な情報共有」「業務中の気軽な相談・質問」に支障がある、という回答が増加しており、社員間でのコミュニケーションの重要性が改めて浮き彫りになった形だ。
以前と同じレベルのコミュニケーションを、オンラインで再現する方法はあるのか?逆に、貴重な対面のコミュニケーションの機会を、より有意義にするためになにができるのか?仕事におけるコミュニケーションのきっかけや重要性を再認識するため、部署は違うが、同じ目標のためにチームを組み、リモートワークを実施する企業で働く2年目〜管理職の社員に座談会形式で、それぞれが抱える課題や不安、実践している対応策を語ってもらった。
※座談会メンバー
Uさん:管理職 / Kさん:中堅社員 / Mさん:若手社員 / Fさん:2年目社員 / Q:ファシリテーター
対面機会の激減がコミュニケーションにもたらした変化
Q:本日はよろしくお願いします。みなさん、昨年からリモートワークを継続されているんですよね。
Kさん:ほとんどリモートワークへシフトし、出社するのは、多くて週1回程度になりましたね。以前は、ランチで近況を話したり、同僚と飲みに行ったりしてお互いの悩みを話すのが日常だったのですが、それも全てできなくなりました。
Mさん:私は昨年転職してきたのですが、前職では「在宅ワークは育児の必要がある方が対象」という認識が強く、リモートワークを経験したことはありませんでした。そこから、入社してすぐリモートワークメインの環境に切り替わって、急激な変化に戸惑いましたが、少しずつ慣れてきてはいます。
Q:入社して、同僚の顔も知らないまますぐにリモートワーク開始という環境は負担も多いかと思いますが、昨年新卒入社されたFさんはいかがでしょう。
Fさん:私は初のリモートネイティブ世代で、逆にリモートではない仕事環境がわからないのですが、やっぱり、上司や先輩、同僚の人となりや雰囲気がまだ掴み切れていなくて。どうコミュニケーションをとっていけばいいか悩むこともあります。ただ、上司からはとても気にかけていただいているので、心理的安全性は担保されていると感じてます。
Kさん:ポジティブな変化で言うと、会議の効率が圧倒的に向上しました。ネクストアクションもしっかり決めた上で時間内に切り上げる、という意識が強まったと思います。
ただ、効率化が進んだことで会議時間は30分のものが多くなりましたが、会議自体の数は増えた気がしますし、効率化されているからこそ会議のなかでの雑談やちょっとしたコミュニケーションは激減した印象です。
Q:会議の増加は、リアルではなかなか会えない分、みなさん意識的にコミュニケーションを取ろうとしているという側面はあるのでしょうか。
Mさん:移動に割く時間がなくなったことも関係していると思いますが、コミュニケーション機会を求めて、という側面も大きいと思います。そうしないと、今までは簡単にできていた情報共有や目的に対しての軌道修正がしづらいですし、チームで動いているという意識が薄れてしまうという危機感があるのかもしれません。
Q:そうしてコミュニケーションを取ろうとしても、やはり壁を感じることはあるのでしょうか?
Kさん:ありますね。基本的には顔が見えないので、会議の形態によって、コミュニケーションすべきかどうかを見極める必要が出てきました。大きな会議であればいかに情報共有が円滑に進むファシリテーションができるかを徹底し、しっかりディスカッションしたいときは少人数に絞った会議をすることを心がけています。
一方で、Uさんを見ていると壁を感じさせないコミュニケーションが上手いなといつも思っていますし、実はそれが個々人の仕事のクオリティアップにもつながっているんじゃないかとも思います。
Q:そうなんですね。Uさんは、マネジメント側としてはこの1年どのような変化を感じたのでしょうか。
Uさん : 私自身はすぐにリモートワークという環境自体に馴染むことはできましたが、やはり対面で話ができないので、部下たちの仕事の悩みや苦労が見えにくい。ともすれば、あらゆる面がブラックボックス化してしまう環境で、どう対話していけばいいのかは、この1年いろいろ模索してきました。
リモート環境でもコミュニケーションを深めるコツ
Q:Uさんは、具体的にはどのような点に意識してコミュニケーションされてきたのでしょうか。
Uさん:いかに信頼を醸成できるか、という点ですね。仕事をする上で一番重要なのは、お互い信頼し合えるかどうかだと思っているため、まず悩みや課題を汲み取るところから始めなければいけません。悩みを話してもらって、一緒に解決していける体制を築いていく。そのために、まずは話しやすい雰囲気作りを意識しました。
Kさん:どんな会議でも、必ずアイスブレイクを入れてますよね。ちゃんと場を和ませてから本題に入って、意見を引き出しやすい環境を作っているので、いつもチームの雰囲気が良いなと感じてます。
Q:普段でも感じがちな役職者に対しての障壁をさらに感じやすいリモートワーク下で、意識的に取り払おうとされてるんですね。
Uさん:私は管理職としてただ部下の管理をするのではなく、みなさんがやってくれていることに光を当てたいなと思っているんです。なので、業務をしっかりやってくれていることを認識しているし、「いつも感謝していますよ」と言葉で伝えることがとても重要だと感じているので、できる限り実践するようにしています。
Fさん:上司から感謝を伝えてもらえるのは嬉しいですね。新卒だった去年は、リモート環境でケアしきれなくて申し訳ないという想いからか、「ありがとう」より「ごめんね」と上司に言われる回数の方が圧倒的に多かったんです。でも、謝るよりも「ありがとう」と言ってもらえた方が業務に対するモチベーションも上がりますよね。
何気ない一言が活性化させるコミュニケーション
Q:Mさんは前職で出社されていたとき、同僚とどのようにコミュニケーションされていたんですか。
Mさん:例えば同僚に助けてもらったときは、席まで直接お礼を言いに行っていました。あとは、先輩がコーヒーを買ってくれたり、逆に私からお菓子を差し入れたり。特に、感謝の気持ちを伝えるときは、お礼を兼ねてちょっとしたモノを渡す機会は多かったですね。
Kさん:そういうリアルなコミュニケーションによって生まれるつながりや関係性ってありますよね。ただ、リモートワークとなると物理的には難しいし、相手へのメッセージもオンラインになるので、感謝の気持ちを伝える機会が減ってしまった気はしますね。
Q:リモートワークになって効率化された反面、やはりコミュニケーションの機会は少なくなってしまう傾向にあるんですね。
これまで、コミュニケーションについて様々お話をお聞きしてきましたが、今回は、そうした多様化する働き方の中で、ちょっとした挨拶や会話のきっかけとなり、コミュニケーションの大切さを実感してほしいとの思いでつくられた、「ジョージア ジャパン クラフトマン」のメッセージ入りボトルを用意しています。
「Good Job!」、「Don’t Worry」など様々なメッセージが入っているのですが、みなさんには仕事仲間に伝えたいメッセージボトルを選んでいただいていますよね。
Mさん:はい、なんだかなごむデザインですよね。イラストがあるだけでちょっと美味しそうな気がします(笑)
Q:MさんとFさんは「Thank You!」を選ばれましたね。
Mさん:やっぱり、チャットでの「ありがとう」だけでは無機質に感じていて、感謝の気持ちが伝えきれていない気がするんです。なので、出社したときに直接お礼を言えるせっかくの機会を活かすため、このメッセージボトルを選びました。
Fさん:私は自分の感謝を表したいという気持ちもそうなんですが、先ほどお話ししたように、上司に向けてのメッセージとして選びました。謝るのではなく、感謝を示してくれた方が嬉しいですよと。
このメッセージボトル、リモートネイティブ世代の私だからこそできる新しいコミュニケーションのきっかけになるんじゃないかなと思うんです。
これまで普通だったオフィス内でのコミュニケーションの方法は知らないし、逆に私たちの感覚を理解できる上の世代はいないんじゃないかと思います。なので、自分で最適なコミュニケーション方法を開拓していくしかないんですね。
感謝の気持ちを表現したいなと思ったとき、例えばオンライン会議でこのボトルを映して気持ちを伝えるきっかけを作ったり、出社したタイミングでは直接手渡ししたり。ボトルのイラストも可愛いので、程よくカジュアルに自分の気持ちを伝えられるんじゃないかと思っています。
Q:チャットやオンライン会議など、なかなか感謝の気持ちを伝えにくい環境だからこそ、メッセージボトルをきっかけに伝える機会を創出していくということですね。Uさんはどうして「What’s Up?」を選ばれたのでしょう。
Uさん:いつも気にかけていますよ、という意思表示を形でも表したいなと思って。メンバーの仕事を全て把握するのは、リモート環境ではなかなか難しいことです。でも、みなさんを信頼しているので、各々が自分の役割を果たし、良い状況で働けていれば問題ないんです。だから、メンバーが不満を抱えていないか、問題は起きていないかを気にかけつつ、感謝を伝えることが私の役割だと考えています。
Q:素晴らしい考え方ですね。メッセージボトルをきっかけに、改めてUさんのポリシーを伝える場ができるとより信頼関係が醸成されそうです。Kさんは「Have a Nice Day!」を選ばれたんですね。
Kさん:私はついビジネスの話を先行してしまうのですが、もっと人間的なコミュニケーションを増やしたいなと思って。
仕事仲間の内面にもちゃんと興味を持って、「週末何してた?」というような何気ない会話をしつつ、コミュニケーションの円滑化を図りながら、会議の終わりには「良い1日を!」と締めくくって、お互い前向きになって次の仕事に取り掛かる、そんな状態を目指したいなと思っています。
Q:みなさんのお話を伺っていて、メッセージボトルの活用で普段なかなか言いにくいことが言えるようなきっかけが生まれたり、いつもよりも一歩踏みこんだコミュニケーションが生まれそうだと感じましたがいかがでしょうか。
Mさん:先ほど話に出た、オンラインMTGで画面越しに見せて感謝を伝えたり、逆に「Help!」などのメッセージボトルを使って、今の自分の状況をカジュアルに伝えたりすることもできますよね。早速チームのMTGでも取り入れてみようと思います。
Kさん:確かに、アイスブレイクのタイミングで今の気分を表現するためみんなで持ち寄ってみたりすると、オンラインでは伝わりづらかった相手の感情がわかったり、それによって思いやる気持ちが生まれたり、その後のコミュニケーションの質も向上しそうですよね。
互いの人間性を尊重したコミュニケーションが良い仕事を生む
Q:今日の座談会を通じて、改めて仕事におけるコミュニケーションで一番重要なのはどういうところだと感じましたか。
Mさん:オンラインでも気兼ねなく話せるようになれば、リアルの場で生まれるような、いわゆる阿吽の呼吸もできてくると思うんです。リアルと変わらないようなコミュニケーションを再現できたらいいですし、そのためには今回のメッセージボトルのような存在もきっかけとして大事なんだということを実感しました。
Kさん:私はUさんもおしゃっていたように、やはり信頼関係が重要だと思います。さらにいうと、信頼を醸成できる「距離感」ですかね。近ければいいという話ではないし、逆に他人行儀だと相談しにくいし。お互いに仕事をしっかりしている前提があって、人間としてのお互いに興味を持つことが大事ですよね。経験上、信頼関係ができてくると、仕事のクオリティもグッと上がりますしね。
Uさん:これは心理的安全性や信頼の醸成につながるのですが、ダイバーシティーアンドインクルージョンやビロンギングの考え方を前提にしたコミュニケーションが重要だと思います。性別、国籍、人種、バックグラウンドの違いで意見が通りにくくなることは避けたいし、声の大きな人の意見だけが通る状態も避けたい。多様な意見があって当たり前で、出来る限りみんなの意志を汲み取って、オンラインでもオフラインでもお互いが仕事しやすい環境にしていきたいですね。
それぞれの性質に合わせたコミュニケーションを選択してもらえればいいだけなので、そういう意味では、対面とオンラインというコミュニケーション手段を選べるようになったという点は、仕事のクオリティを向上させる選択肢が増えたとポジティブに捉えてもいいのかなと思います。
今後はリモートと出社半々のハイブリッドな働き方が主流となっていくと思うので、オンライン派とオフライン派が混在してもうまくコミュニケーションできるような工夫が必要になります。今回いただいたメッセージボトルはそのような環境ですごく活きてくると思います。
再認識するべきメッセージの重要性
座談会での話を通して、仕事におけるコミュニケーションで重要なのは、リアルの場で交わされていた何気ないコミュニケーションであり、リモート環境でも積極的な会話や相手に対するメッセージなどを交えて、互いの人間性を理解していくことだと気づけた。その結果として、仕事のクオリティも向上するのだろう。
どんな仕事であれ、結局は人と人とのつながりが基本にあり、どのような関係性を構築できているかで良し悪しは決まる。それは、リアルでもオンラインでも関係ない。
「ジョージア ジャパン クラフトマン」メッセージボトルは、働き方が多様になり、コミュニケーションのあり方も変化していく中で、挨拶や会話するきっかけなど、人と人をつなげることでコミュニケーションの大切さを提案している。
「Good Job!」「Thank You!」「Don’t Worry!」など日常のさまざまなシーンで使える12種類のメッセージを、カナヘイ氏やにしむらゆうじ氏などの人気クリエイターのイラストと共に届ける同製品。合計12種類のデザインをカフェラテ、ブラック、微糖の3タイプで展開しており、多様なバリエーションの中から好みのボトルを選べる。
自分のためだけでなく、仕事で関わる相手のためにも、オンライン・オフライン問わずコミュニケーション不足解消のきっかけとして取り入れてみてはいかがだろうか。
文:水落 絵理香
写真:西村 克也