大日本印刷株式会社(以下、DNP)は、地球環境への負荷低減に向けて、「DNP環境配慮パッケージングGREEN PACKAGING」(以下、GREEN PACKAGING)を開発・提供している。
今年度は、製造時のインキを、石油由来のものから植物由来原料を一部に使用したバイオマスインキに切り替えるなど、製造における環境負荷低減の施策も導入。
DNPは、こうした事業を通じた環境への貢献度合いを可視化する取り組みのひとつとして、2020年度の1年間の植物由来原料を使用したパッケージの出荷量からCO2削減量を算出。
その結果、石油由来のパッケージを使用した場合と比べ、その効果は森林263.4ヘクタール(東京ドーム56個分、杉23.6万本分)の吸収量にあたる3,300t(トン)のCO2削減に相当することがわかったと発表した。
【環境負荷の低減などの取り組みについて】
DNPでは、GREEN PACKAGINGのラインアップとして、同社が開発した「DNP植物由来包材 バイオマテック®」シリーズの製品を2010年から提供している。
2021年1月には、食品や日用品など等のフィルム包装(軟包装)の印刷に使用する主要なラミネート用グラビアインキについて、植物由来の原料を一部に使用したバイオマスインキへ切り替えを開始した。
また、企業や生活者の環境問題への関心の高まりに応じて、DNPは植物由来原料の使用を増やしており、2020年度も、コロナ禍の影響で一部製品の需要が落ち込むなかで、前年度以上のCO2削減を実現。
今年度より、バイオマスインキを使用した製品のCO2削減量もあわせて算出し、算出を開始した2018年度からの累計では、8,800t以上の削減となったとのことだ。
【持続可能な社会の実現に向けた今後の展開】
DNPは2020年3月に、「DNPグループ環境ビジョン2050」を策定し、「脱炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の実現を目指し、さまざまな取り組みを行っている。
特に「脱炭素社会」の実現に向けては、2050年度までに自社拠点での事業活動にともなう温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)排出量を実質ゼロにする目標を掲げるとともに、製品・サービスを通じたGHG排出量の削減を進めているという。
国内外では今、コロナ禍からの経済復興とも関連して、地球環境に配慮し、脱炭素社会の実現を目指す考え方が広がり、特にGHG排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルに向けた動きが加速。
また、2019年5月に日本政府が策定した「プラスチック資源循環戦略」では、「3R(リデュース、リユース、リサイクル)+Renewable」を基本原則とし、バイオマスプラスチックの最大限の使用を目指し、2030年までに約200万t導入する目標も掲げられている。
こうした動きに対してDNPの「バイオマテック」シリーズは、再生可能な植物由来の原料を使用することで、石油由来のプラスチックを削減してCO2を削減することが可能であるという。
今後もDNPは、環境に配慮した多様なパッケージの開発を進め、製品やサービスを通した環境負荷の低減を推進していくとのことだ。