エイベックス・ビジネス・ディベロップメント株式会社(以下、ABD)は、ミュージックセキュリティーズ(以下、MS)と業務提携し、アーティストが楽曲単位で制作資金を調達する音楽ファンドサービス「MUSIC UP!」を開始することを決定したと発表した。
「MUSIC UP!」は、エイベックスの子会社TWHが運営するエンタメ特化型クラウドファンディングサービス「Bridge」を通じた新サービスとして6月4日より提供を開始し、スタート時には2曲の楽曲ファンドの資金募集を同時に開始。
同サービスは、楽曲単位でエントリーすることが出来、審査を通過した後、ファンドによる資金調達を通じてアーティストは制作資金を獲得することができるという。
投資家は、1口1,000円から出資をすることができ(今回の2曲の楽曲ファンドについては1口10,000円で設定)、商品ページよりアーティストや楽曲情報をもとに支援したいファンドを選ぶ。
投資家専用ページから、出資楽曲の日々の再生回数を見たり、自らが媒介(メディア)となり楽曲の宣伝活動を行うなど、これまでのファン活動の枠を超えて、応援するアーティストと共に、楽曲を世の中に届ける体験を共有できるとのことだ。
具体的な仕組みは以下の通り。
1.アーティスト(レーベル)は楽曲単位でエントリーをして審査を受けることができる。
2.審査を通過すると「MUSIC UP!」の中でファンドが組成される。
3.投資家は商品ページのアーティスト情報や楽曲情報をもとに出資先を選ぶ。
4.集まった出資金をもとにアーティストは楽曲制作を行って各音楽配信プラットフォームで配信を行う。
5.配信売上を原資にして匿名組合契約で合意された期間・出資比率をもとに投資家に配当金を渡す。
「MUSIC UP!」によって、アーティストは資金不足による楽曲制作や活動の制限から解放されて、よりクリエイティヴに集中することができるようになる。
特徴は、原盤権や出版権を提供することなく、配信売上のみを投資家へ分配するシンプルなサービス設計であるとのことだ。
エイベックス・エンタテインメントが持つ音楽配信代行サービス「BIG UP!」のシステムを通じて、世界中の配信ストアから楽曲配信を行い、ストリーミング再生数やダウンロード販売数に応じて売上を集計、各投資家の出資比率に基づいて配当金を分配する仕組みを構築。
また、これまでのファン活動は、楽曲の購入や視聴によるリスナーとしての関わりが一般的であったが、楽曲を投資家として共有することで、ファンは楽曲の宣伝活動に参加するなど、より積極的な関わりを持つようになると想定。
アーティストにとって、世の中にヒットを生み出す原動力となるパートナーの獲得につながるという。
同社は、アーティストをエンパワーメントし、誰もが音楽制作に挑戦できる場を提供し、新たな音楽マーケットを創出することを目指していくとしている。